第29話 徘徊型階層王と言う怪物
蜘蛛を仕留めようとしていた俺に後ろから襲い掛かった存在は立てば3メートルはあろうかと言う熊であった。
「蜘蛛の次は熊かよ、森のヤベー奴ら大集合じゃねぇか。一体どうくるんだ?」
蜘蛛よりも一段とヤバい気配を漂わせる熊に対して決して隙を見せない様に立ち回る。
そして熊が初手で取った行動は四つん這いになっての突進。
ただの突進ではあるもののその速度は今までのモンスターとは一線を画す速度である。
「うぉっ!行動の予測はできたけどこの速度は流石に心臓に悪いな…」
そしてそのまま突っ込んで行った熊の先に居たのは燃えたまま暴れ回る蜘蛛であった。
熊はその勢いのまま蜘蛛の足を掴んで動きを封じそのまま齧り付いた。
「うわっ、一応まだ燃えてるんだからやめとけよなぁ…」
しかしそんな事もお構い無しに蜘蛛の抵抗をその剛腕で封じながら最終的にまるまる1匹を食い尽くした。
どうやら怪力と毛皮の火耐性は並大抵の物では無いようだ。
「ハハッなんだよこの怪物は、明らかにこの階層にいて良いモンスターじゃねぇだろ。冗談抜きでテイム状態だったオーガクラスの実力はあるぞ…」
だが逆に言ってしまえばその程度だ。あの燃え盛るオーガを倒した俺の敵では無い。あのガードを超えるには夜叉のもう一つのスキルを使えば問題無いだろう。そう勘違いしていた。
そう目論見を立てている間に熊が腕を空振りする。
一見すれば当たる筈のない攻撃だが俺の『超直感』と『危機察知』に突き動かされ地面に伏せる様に回避する。が、
「グァッ!?」
右肩から吹き出すのは俺の鮮血、それはまさに不可視の攻撃であった。
この魔物、後に
記者「今回は取材を受けていただきありがとうございます。早速本題ですがなぜ
???「それはだなぁ、内のパーティー全員に称号
記者「なるほど、ステータス欄は今のところ偽装できませんからね、パーティーに鑑定者がいなかったと記憶しているので何故分かったのか気になってたんですよ。」
???「まぁそりゃそうだよな、うちのパーティーのメンツを知ってるなら疑問に思うだろうが実際はそんなもんって訳だ。」
記者「ダンジョンが確認されてからの初めての
???「強いなんてもんじゃねぇな、魔法や武器を通さない強靭な毛皮に、まさに怪力と呼ぶに相応しいパワー、それにあの巨体に見合わない俊敏性と来たもんだ。何もかもが既存のモンスターと違ったし、なんなら普通のボスより全然強かったぞ、ありゃ階層にあってない
記者「では
???「あぁ、言い方が悪かったな。アイツの身体能力は確かに脅威だがしっかりしたタンクがいればそこまでの問題はない。むしろアイツの行動で1番脅威なのはあの爪から放たれる不可視の攻撃、風魔法だ。」
記者「風魔法ですか?もっと浅い階層にも魔法を使うモンスターはいた筈ですがそこまで脅威なんですか?」
???「そうだ。他のモンスターの魔法は精々突風程度だったし数もまぁ1匹いるかいないか程度だった。だが、アイツの魔法は明確な切断力とスピードを持って襲いかかってくる。しかも火魔法とかなら目で分かるがよりにもよって風魔法だ。ぶっちゃけアイツに勝てるかどうかは『風魔法をどうするか』にかかってるだろうな」
あとがき
???さんは今後出てくる…かも?
でも多分主人公とは関わらない、だってアイツダンジョンから出てこないんだもの
だれがあんなダンジョンバカにしたんだよ!(俺ですねはい…)
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