第27話 フィールドギミックを生き残る

「くそっ!あっちもこっちもオークだらけじゃねぇか!」


接近してきた多数の反応は5~8体で徒党を組んで俺の周囲をかなりの密度で徘徊しだした。

ある程度は『超感知』で避ける事もできるが、総数が多いせいでステルス行動を余儀なくされている。オーク程度ならキルして突破すればよさそうなものだが5~8のオークは殺す事自体はできる物のまずさっきみたいに援軍を呼ばれるのが関の山だろう。


「オーク肉の確保もできないしさっさと次の階層に行くか・・・」


動きだした瞬間感知範囲すれすれにいたここら辺で最大サイズであった15体の集団がこっちに1直線に向かってきた。


「は?これ明らかに俺の位置を補足してるよな・・・これでも目の前を通ったオークから隠れ切ったから自信あったのにな、てか何でばれたんだこれ」


もう接敵は不可避と判断し木の上から奇襲をかけるべく身を隠す。


今まででもトップクラスの速度をもって接近したのは確かにオークだったのだが、思いもよらない姿をしていた。


「オークがウルフに乗ってるとかいくら知性があると言っても反則だろ・・・」


上に隠れている俺を最初こそ探していたオークライダー(俺命名)だがウルフが上を向いて吠える事で場所を補足されてしまった。


「仕方ねぇ、殺るか!」


夜叉を抜刀、響き渡る角笛の音・・・「え?マジ?」


角笛に反応して再び寄ってくるオーク共と逃がすまいと攻撃を仕掛けてくるオークライダー、正直に言ってオークライダー単体なら大した事ないが15体もいると流石に数の暴力が酷い。

四方八方から槍を振り回しながらウルフ特有のスピードを生かして襲ってくると『危機察知』と『超感知』をフルで稼働させて対応する。


「うし、ここだっ!」


一匹のライダーが突撃してきた所ですれ違いざまに切り捨てる。

機動力を落とす戦法は悪くない効果を発揮してくれると思っていたが残念ながらタイムリミットが来たようだ。


背後から飛んでくる矢を回避し顔面に迫っていた槍を避ける。

最初の1発を皮切りに周囲から降り注ぐ豪雨と見間違うかのような矢を魔法障壁を張ってやり過ごす。


矢を一通り受けきると矢が尽きたのか攻撃が止まり近接武器を持ったオークとオークライダーの混成軍団が前に出てきた。


「本当にお前らはどこの軍だよ・・・まぁ、近接組のお前らを狙ってたんだがなw」

もはや苦笑しながら全身に魔力を巡らせる。


「聖,火属性複合魔法 『聖焔衝波』」


足に収束させた魔力を地面に沿って波のように放出する。

これは無属性魔法を使いながら別の属性を使える事に着目した魔法で練習していたのだが成功して良かった。

この魔法のおかげで近接の大半を始末する事ができた。

やはり全体無差別攻撃は強いと言う事だろう。


残ったのは弓持ちとオークライダーのみなのでオークライダーを無視して先に火球ファイヤーボールを利用して遠距離から潰す。


さっきと同じ戦いだがさっきよりも攻撃がぬるいような気がする。


「あぁ、『適応』のおかげか!」


戦闘にも適応してくれる『適応』の偉大さに驚きながら後ろから迫るオークライダーの進路上に夜叉を置いて勢いで胴体をぶった斬る。


また別のウルフの足を切り落とし『爆閃』で同時に迫るオークライダーを一掃する。


残りの1体を上から垂直に斬り捨て夜叉を納刀する。


思ったよりは余裕を持ってギミックを切り抜けた俺は無差別範囲魔法と『適応』に感謝しながらその場を後にするのであった。



あとがき


この階層のギミックはこんな感じです。


1 吊り下げの罠にかかる。

2 近くのオークが仕留めにかかる。

3 不利になると角笛を鳴らす。

4 全階層のオークが警戒体制に移行

5 オークライダーが動き出す。

6発見ししだい階層の全オークで仕留めにかかる。


とこんな感じなのでここからは斥候技能が必須になります。

まぁ斥候技能があっても引っかかるアホもいますが・・・


東野「だれがアホだ、てめぇ」

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