第24話 肉!食わずにはいられないっ!
オークがドロップしたのは笹の葉みたいなので包まれた何かだった。
あの昔話でおにぎりとかを包んでいるアレみたいな感じだ。
しかし、所々包みきれてない所から見える白とピンクの物体は間違いなく『肉』だった。
しかもそこそこ良いサイズの塊肉だ。
「肉!マジかよ…ラノベ定番のオーク肉をこんな所で食わせてくれるのか!SPが無くならない限り飢えや脱水で死なないのはここまで降りてくるのにかかった時間的に明白なんだがそれでも食べてたのがスライムゼリーだけってのはなぁ…やっぱ人間肉を食わないと」
幸いにも火はある、奪って良かった火魔法!
あの時魔石を食った自分に感謝を!
切り分ける為の包丁はどうするか…無属性魔法で刃を作ればいっか。
魔力で手刀的なのを作り肉塊を切り分けにかかる。
「はい、スゥ〜♪」某「ギコギコはしません」の真似をしつつステーキに丁度良さそうなサイズに一枚を切り分け残りを『アイテムボックスにぶち込んでおく。見た感じ時間経過も無さそうなので暫くは肉を食えるのが確定したわけだ。
「しかしまぁ、切ってから気づいたが焼くための鉄板的なのがねぇ!」
今は無属性魔法をブロック状にした魔法障壁の上に乗せているが魔法障壁は熱を通さない。まぁそうしないと火魔法防いだけど余波の熱風で死ぬとか言う笑えない展開になるからな。残念な事に今回は完全に逆効果として働いているがな!
無属性魔法は駄目で他に使えそうなスキルも無し、火魔法はそもそも肉を押さえられない。
地面も森だから衛生的にアウト、夜叉で焼いたら多分消し炭…
「ん?夜叉…」
何か引っかかりを覚えて可能性を探っていく。そして一つの結論に行き着いた。
「夜叉でブッ刺してそれを火魔法で炙れば良いのか」
早速夜叉を取り出し肉に刺す。
上手くヨレが無いように刺すのは夜叉が日本刀である以上反りがあり少しばかりコツが必要だったがなんとか刺す事ができた。
「後は魔法で筋を切ったりして…塩胡椒が無いのが響くなぁ…んでそのまま焼くッ!」
火魔法で火種を出しサイズを肉全体を焼けるように大きくした上でしばし待つ。
初めはイマイチ焼けている感じがしなかったが、逐一魔法を調節する事で今では余分な油を落とすターンになっている所だ。
「さて、そろそろ良いだろう」
そう判断した俺は火魔法を止め肉を夜叉から取り外し魔法障壁の上に置く。
魔法障壁の応用でナイフとフォーク状の魔法障壁を作り適度なサイズに切り分け口に運ぶ。
「は?何コレうっま!」
確かに魔物肉は美味いと多くの作品で語られてきたものだが、まさかコレほどだとは!と言いたくなるレベルでの肉汁による食の暴力、豚なのに牛肉かよ!と言いたくなるような濃い肉の味と、普通の豚肉だと途中で胃もたれしそうになるがコレならジョッキ一杯は飲み干せるとまで思えるレベルの油。この11層のノーマルオークの肉でコレなら他の肉はどうなってしまうのだろう…そんな恐ろしさまだを抱かせる肉の美味さだった。
「ハァ…コレは絶対に肉目当てでダンジョン入るやつが出てくるだろ…」
世の中には肉を食う事を拒み野菜のみを享受するヴィーガンなんて人々もいるようだがその方達でも無心で貪るだろうね、断言できる。
ダンジョンに入って以来空腹は感じていなかったが、それ故に食事らしい食事をしなかった腹に感じる圧倒的満足感
「やっぱり肉は偉大だな」
肉の偉大さを再度理解しつつ、俺は再びオークから肉を奪う為に森の中を彷徨い出すのであった。
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