第21話 ボスの取り巻きはウザい(深刻)

「くそっ!」


スケルトンが配下?スケルトンを召喚してから戦況が向こうに傾いていた。


手前の一体を夜叉で斬り裂き別の一体はコアを引き抜いてアイテムボックスに仕舞う。

そのまま次のスケルトンに向かおうとするがボススケルトンに阻まれてしまう。

回避は当然行うがメイスから伸びてくる骨の槍が頬を掠める。


「コイツの骨操作的な能力さえ無ければ数を減らすのは簡単なんだがなぁ…」


更にスケルトン自体も頭を潰すかコアを外すor破壊する。または聖属性魔法をぶち当てるなりしないと完全に消せないのも厄介である。


「単純な戦闘能力だけで見るならあの時のオーガの方が圧倒的に上だし、前のゴブリンソルジャーよりは順当に強くなってるレベルなんだが、いかんせんギミックがヴゼェ!ゲームとかで雑魚が無限ポップする理由が良く分かるよ!」


(とあるゲームのRTA時に小型エネミーによるひるみでタイム10秒も遅れた怨みは忘れてないからな…今回も雑魚無視で削り切ろうともさせてくれないしホンマコイツらは…)


そこで俺は深刻な事に気がついてしまった。


「アレ?数が減ってない?」


脳裏に浮かぶの文字


「オイオイマジかよ!こんな序盤から無限湧きはマズイって!流石にボスのMP消費くらいはあってくれ!」


一応『鑑定』は持っているがモンスター相手に使った事が無い上にアイテムにしか使いたくない謎のプライドがあるためMPの確認は不可能だ。なら最悪のパターンで動くしかあるまい


「ならやる事は一つ、全てを置き去りにして奴のコアを破壊するッ!」


足元を爆破して加速、スケルトンの反応できないスピードでやつのコアを狙う


「喰らえ『袈裟斬り』ッ!」


そのまま右上から左下までを一息に斬り裂く筈だった…


「ツッ!?」

『危機察知』に強烈な反応、攻撃を中断し全力で身体を捻り攻撃を回避する。そこには開幕に喰らった物よりは小さいものの確かに骨の槍があった。


「完全にしてやられたな…あの後は無かったから開幕行動パターンとしか思わなかったぜ」


これでもう一度仕切り直しが入る形だろうか?だがこちらはMPとSPを消費するせいでどんどん不利になって行く、その上で相手は俺の最速の攻撃すら反撃を当てれる攻撃がある時点で半分初見殺しのあの攻撃も封じられてしまった。


さて、どうやって次の突破口を探すか…


そんな事を考えている最中にも取り巻きスケルトンからの猛攻は止まることを知らない


「あぁもう!避けた先に他のスケルトンがいるし、油断したらボスの槍が飛んでくるしでやってられんわ!」


地中の攻撃は奴にとっても初見殺しポジだったらしくアレ以降は定期的にこちらを狙って飛び出してきている。


「仕方ねぇ『聖属性付与ホーリーエンチャント』『怨念の呪縛』」


夜叉に聖なる光を纏わせ動きを封じた奴の処理へと向かう。


間に割り込んでくるスケルトンはその刃の一太刀で斬り伏せこの世から完全に抹消する。


やつも最後の足掻きとして骨の槍を飛ばして来るがその全てを最低限の動きで回避する。


「さぁこれで終わりだ。」


俺が格好良く決めようとしたその時、ボスの身体が大きく震えたかと思うとやつの骨操作の応用か他のスケルトンが鎧となってボスの身体の一部となり更に巨大化する。


「クソッ!最後まで邪魔をするのはいつだって小型モンスなのか!もういい、『怨念の炎』『怨念の呪縛』並列発動。」 


夜叉を鞘の中に仕舞い込み抜刀の体勢に移行する。


MPを3割ほど込めて斬り裂く!


やつも腕を振り下ろしてくるが余りにも遅い!


「魔戦刀術 参の刃『炎嗟刃』ッ!」


かつてやらかした産物である魔刀 煉獄をより実用的にした技は、狙った通りの破壊をもたらしてくれた。


「よし、ボスは討伐できたみたいだな。にしてもこれからも取り巻きは出てくるよなぁ…気分が下がるね」


これからも小型と付き合っていかなければならない事態に今から気分が重くなる。

勝ったのに小型に負けた気がするボス戦であった。

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