第20話 開幕も一筋縄では行かぬ…
「さて、開けるか」
座禅でMPを回復した後にボス部屋の扉を開ける。
前回と同じ大広間、しかし前回とは違って煌々と輝く灯りが壁に無い、進んで行くと壁には見えていなかった蒼い炎を灯した錆びたランタンが順に光だしこの場所の不穏さを訴えかけてくる。
しかし今回はいつまで経っても中心に魔物が出現しない
「おかしいな、なんかのバグか?」
そんな訳が無いだろう…多分、しかしそうなるとボスがいない部屋と言うのも違和感が凄い、まさか青色の扉だと条件未達成でボスが出ないのか?イマイチ現実的ではない、いやまぁダンジョンや魔法がある時点で現実的もクソも無いんだが…
その答えは思いもよらない所からもたらされた。
「ん?僅かに地面が揺れてる…まさかっ!」
直後に『危機察知』に強い反応が返ってくる。
横に飛び退いて緊急回避、そのまま距離を取る。
『ドゴォッ!!』
ギリギリ退避が完了した直後、ボス部屋の床から純白の柱が生えてくる
「いや…アレは骨なのか?」
目の前で骨は形を変えていく、よりシャープに、強靭に、鋭利に、人を殺すための最適化していく骨は最終的に巨大な人の姿を取ったが、手に持つ巨大なメイスとそれが無くとも鋭い爪、巨大な身体を持っているのは脅威だ。
「ハハッ、スケルトン亜種かなんかかよ、コアが見えてるのが救いかねぇ…」
こちらがしみじみしている間にもメイスが振り下ろされる。
「まぁ回避自体は余裕を持って…ッ出来ねぇなコレ!」
メイスが地面に当たった直後にメイスから棘がこちらに向かって飛び出してくる。
「はぁ〜!俺の腕くらいあったぞ今の…こんなのくらったら風穴もんだろマジで…」
いつ何が飛び出してくるか分からない以上接近を控えめにし遠距離から魔法で殴る。
「お前がアンデッドで良かったよ!オラっ『ホーリーランス』をくらいやがれ!」
やはり『神聖魔法』は効果絶大のようで的中した所が灰となって崩れ落ちるが直ぐに次の骨で埋まってしまう。
「まぁMPは実質待機すれば上限が無さそうなお陰で引き打ちさらば勝てそうだけど…ってアイツ何をする気だ?」
いきなり両手をついて四足歩行のようなポーズを取り開いた口をこちらに向けてくる。
「まさかとは思うが某ピンクの悪魔みたいに吸い込んで来ないよな?」
なんて言うコチラの期待は悪い意味で裏切られた。
「へ?」
いきなり飛んできた物体に俺は『魔力爆破』を利用した爆風で全ての物体を撃ち落とした。
だが俺の中の怒りは収まらず珍しく声を荒げて怒鳴る
「テメェ、なに歯を飛ばして来てんだよ!メイスでの攻撃や登場時を見た感じどう考えても骨の操作できるだろうが!それで攻撃しろよ!」
俺の言葉がスケルトンに通じたのかは分からないが奴は口の骨を打ち合わせてカタカタ笑っていやがる。コチラを舐めているのか
「よろしい、ならば報復だ。夜叉と聖属性で捻り潰してやるよ!」
『魔力爆破』を使い高速で接近&跳躍、そのまま夜叉を使い肋骨を斬り飛ばし、『魔力爆破』で空中で向きを変え、腕と胴体の間から抜ける。
残った肋骨が動きさっきまでいた場所を貫いているのを脇目に背中に回り込み背骨に手を当てる。
「くらいやがれ『聖光』ッ!」
魔力を練り上げてボス全体にかかる様に光をばら撒く
「チッ、流石にこれで終わりはしないよな」
背骨から生えてきた棘を避けているとボスが不意にブルリと体を震わせた。
かと思うと骨の表面が剥離して地面に落ち通常のスケルトンとして仮初の生を得る。
そして聖属性の効果を受けていた骨も完全に今ので落ち、やつの骨も一際綺麗に輝きカタカタと笑っている。
骨の攻勢も激しくなったので一度距離を取り夜叉を構え直す。
「さぁ、第二ラウンドだ。」
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