第18話 格闘練習
「さて、コレで何匹目だ?」
更に通路を進み、5、6体のスケルトンを狩る、ぶっちゃけあんまり強くは無い、コアを突けば簡単に倒せるしほぼ確実に骨も落とす。
安定してコアを突けるだけの実力があるなら最序盤の優良モンスと言えるだろう。
しかし…
「なんかパッとしないんだよなぁ…刀術の習熟度上げの見方も出来るけど、やっぱり命懸けのヒリヒリ感が無いのが良くないな、なんか今後使えそうで上がってないスキル有るかな?」
目の前に出てくる『格闘術』の3文字
「へぇ、コレ良いじゃん」
実際あのオーガとの戦いでは決着後に『夜叉』を落としていた。今後そう言った場面で致命的ミスにしないためにも素手での格闘はできて損は無い
カタカタカタ…
「おっ、都合の良い所にスケルトン君じゃん!さっそく殺りあおうか?」
『夜叉』は抜刀せず朧げな記憶でファインディングポーズをとる。
(確か脇を閉めて肘を曲げる。ステップは軽やかに踏めるように…で、合ってるっけ?)
振り下ろされた剣を見切って間合いの内側、腕が伸び切らないくらいの位置に陣取り殴打、殴打、殴打、そのまま肋骨部位を破壊してコアを抜き取り握り潰す。
そうするとスケルトンは動きを停止した。
「格闘でも最低限は戦えそうだな、まぁ本当に武器を落とした時のリカバリー用で行うには練度が足りないか」
時々降り階段とスケルトンが出てくる程度で分かれ道も無い通路を進んでいく
「ほい、ほい、ほいさ!ワチャ!ホワチャ…なんかちょっとおかしくなってくるな」
先の方から続々と湧いてくるスケルトンの攻撃を避けてはコアを潰すなり蹴り飛ばすなりして更に進んでいく
「へぇ、槍持ちかぁ剣よりもリーチが長いし懐に入る良い練習になりそうだ。」
シンプルに腹に向かって突き出された槍をステップで右に避け、そのまま踏み込む。
「うおっ!?」
しかしスケルトンもそう油断できる相手では無かったようで、そのまま槍を薙ぎ払うようにして俺に攻撃してくる。
即座に上半身をかがめて回避し下から奴の頭蓋骨をめがけてアッパーをぶち込む、相手は槍を振り切った後なので即座には戻せない。
完全に入った奴の頭蓋骨は完全に爆散、頭をつぶせば動くまい。
なんて思っていたが…
「お前マジで?」
流石スケルトンというべきか、頭蓋骨がなくとも動いているのは不気味としか言いようが無い。だが、見えていないのか?こっちの事を認識していないようだ。槍をがむしゃらに振り回している。
ならば最短でコアを抜き取るのがベストだろう。
「『身体強化』」足を重点的に魔力で強化し、最短で抜きにかかるがその時にスケルトンの動きが変化した。周囲をがむしゃらに振り回していた物から。最初のように明確にこちらの位置を理解した動きへ・・・
(こいつ頭蓋骨がなくなると魔力で対象を認識するのか?)
突き出された槍を上半身をそらすだけで左方向に回避、今度は槍を振らせる前にコアを抜き取った。途端に崩れ落ちて骨と魔石を残すスケルトン、だが今回はコアを抜き取ったせいか、コアもドロップとして残った。
「・・・食べますかねぇ使い道もないし」
一度魔石なんて言うゲテモノを食べたせいだろうか、余裕で食えそうな気配のある握りこぶしより少し小さいくらいのコアを口に含み、少しかみ砕きながら飲み込む。
身体に広がる熱と気持ち悪さに既視感を覚えながらも必死に耐えるのであった。
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