2024.07.23──トラップ干し

 浜辺に今年最大級のトラップクラゲが漂着し、安全が確保されるまで海水浴場は封鎖となった。

 砂浜にどっかりと佇むトラップクラゲの傘。高さは2mはあるだろうか。しかし危険なのはこの傘ではなく、砂に埋もれた猛毒の触手なのである。

 防護服を着た専門の除去チームが、慎重に砂浜をから触手を掘り出していく。傘が2m急のトラップクラゲともなると、その触手の長さはかなりのものになる。

 結局、全てを掘り起こすには三日間掛かり、職種は海水浴場の浜辺のほぼ全域まで伸びていた。

 回収された触手と傘は洗浄後に天日干しし、いくつかを大学などの研究機関に送った残りは、名物の「トラップ干し」として海の家や魚市場で販売される。毎年トラップ干しを求めに多くの観光客が訪れ、その売り上げにより海水浴場が閉鎖していた間の赤字を補うのである。

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