2024.05.29──聖地
カサカサハリイノリリュウは白亜紀の後半に地上で暮らしていた獣脚類の一種です。
他の獣脚類よりも発達した前肢を持っており、それをまるで祈るように手を合わせた状態の化石が見付けられたことがイノリリュウの由来ですが、その発見経緯はかなり特殊です。
化石が見付けられたのは、南洋の島国カサカサハリ島の寺院の中でした。地元の人々に「祈り竜」として古くから崇められているもので、記録から400年以上も前に掘り起こされた化石だと分かっております。
イノリリュウはカサカサハリ島の人々の文化に大きな影響を及ぼしており、イノリリュウを模した人形や刺青、多くのモニュメントが島のあちこちで見受けられます。
件の寺院に置かれていた化石は、しばらくの間外国に持ち出されておりましたが、地元の強い要望や文化保護の観点から、今は元の寺院に安置され、次の400年を地元の人達と共に過ごしております。
現在ある国内外の標本は、カサカサハリ島の地層から発掘された別の化石や、寺院化石のレプリカになります。寺院化石は身体が完全に揃ったもので、地元に返還された今でも、調査のために寺院に訪れる研究者もおります。
イノリリュウの発掘場所に関して、一つ興味深いことがあります。
それは寺院化石が発掘されたとされる「祈りの洞穴」を中心に、多くの個体が見つかってるという点です。さらにこれらの個体も、寺院化石のように手を合わせているものが多いという点にも、研究者達は注目しております。
この手を合わせる所作が、どんな生態を意味しているのか。研究が進められております。
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