2024.01.09──ゴンザレス物臭伝
志はあれど行動には写せぬ物臭という者はどんな時代にもございまして、令和の時代に住むこのゴンザレスもその一人であります。
ゴンザレスは埼玉県志木市のとあるアパートに住む学生であり、そこから電車で20分ほどの場所にある大学の工学科に通っております。
工学科と言うからにはエンジニアを志望しているかと思いきや、この男、小説家を目指していて、学内にある文芸サークルにも所属しております。文芸サークルは当然のごとく文学科の建物に部室があるため、工学科のゴンザレスは放課後になるとキャンパス内を10分も歩いてそのサークルに通っているのであります。
さぞかし優秀な男と思われるかも知れませぬが、工学科の成績はまずまずと言ったところで、小説の腕も比喩や皮肉の表現ばかりが目立ち、人に見せる作品を書くには今一つ腕が足りないという具合でした。
ゴンザレスの腕が大学を出るまでに実るのか、そして工学科の勉学を疎かにしているが就職は大丈夫なのか、そんな天の声の心配を気にかけもせず、休みの日のゴンザレスはアパートでダラダラとスマートフォンを弄りながら時間を浪費するのでありました。
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