第14話 一番怖いのは女

「その辺の木の枝を使ってタイヤの跡を消せ、ノーラインとワイドラインは高い位置に隠せ。他のものはさっき伝えた待ち伏せ場所に向かえ」茜たちは待ち伏せ場所で隠蔽作業を行なっている騎士の到着を待った。全員揃うと、ダマスカスブレードの装着を命じた。レプを待っていると部下のヒソヒソ話しが聞こえてきた。

「隊長、なんか性格変わってない?」

「いつものノーテンキな感じじゃないよね〜」

「どっちが素の隊長なんだろ?」部下が勝手なことを言っているが、戦場で命のやり取りをするんだから普通マジになるのがあたりまえじゃん。命令に従う奴は気楽でいいなと思った。

 しばらくすると、レプの追跡隊が二十名ほどやってきた。

「ノルマは一人一名、それ以外は私が受け持つ。突撃!」茜はレプの隊長らしきやつを鉄山コウで吹っ飛ばして気絶させたあと、二人目をダマスカスブレードで頭部を横から切断し、他の隊員の戦いぶりを見た。味方が有利であることを確認したあと、三人目、四人目も同様に頭部を切り裂き、五人目は頂肘を食らわせ気絶させた。周りを見回すと他の隊員は全員立っていた。みんなノルマは達成できたようだ。

 茜は気絶から起きたレプの頭に手を置いてテレパシーを使って必要な情報を得た。茜はアメリカにいた頃、両親に無理やり国家プロジェクトの超能力開発プログラムに放り込まれ、テレパシー能力の訓練をかさねた。テレパシー能力が実用レベルになると国家プロジェクトは茜をFBI候補生の訓練場クワンティコにぶち込んだ。晴れてFBIの特別捜査官になったあとは紆余曲折を経て現在に至っている。

 捕虜になったレプの活用方法を考えていた茜はレプを拷問することにした。あっさり殺したらそれで終わりだが、レプに恐怖を植え付けて仲間のもとに返せばレプ達に恐怖を与えることができるかもしれない。

 レプの隊長らしきやつを拷問し、他の一体にその様子を見せることにした。

「何か針のようなものはないか?」この場には何もありませんと言う隊員の言葉を聞き、針を爪と指の間に差し込むことは諦めた。

「ルート士爵、ダマスカスブレードの先端をそいつの爪と指の間に突っ込め」ルート士爵は命令を躊躇なく実行した。そして爪は指から飛んでいった。拷問を受けたレプは悲鳴を上げたはずだが、自分の戦闘服を口にねじ込まれているせいで大声は出せなかった。拷問を見せられているレプはピクピク筋肉を動かした。神経系等の違いで我々と違う動きをしてるんだと茜は思った。

「ルート君、指は一本じゃないぞ、もちろん足にだって指はある。今度は爪を飛ばすようなドジはするなよ」ルート士爵はちょっと躊躇して命令を実行した。拷問を受けているレプは激痛のため気絶したが茜がテレパシーを使ってその都度無理やりに起こした。ここまでやると自分の部下の顔色も青くなってきていた。拷問を見ているレプは目から液体を垂れ流している。

「さっき細い針はないと言ったな。では太い棒を奴の肛門にブッ刺せ。早くしろ!」誰かが直径10cmの木の枝を持ってきた。ルート士爵が枝葉を切り落とそうとしたその時、

「枝葉は切り落とすな、そのままブッ刺せ」茜の命令にルート士爵は躊躇したが最終的にレプの肛門に30cmほどブッ刺した。例の如く気絶しても茜にテレパシーで起こされた。拷問を見ているレプは逃げようと激しく体を動かしている。そのうち拷問を受けてるレプが失禁した。

「レプのアレを切れ」

「ちょん切っちゃうんですか?」ルート士爵が聞いてきた。

「縦に切るんだよ。決まってんだろ!」茜以外の隊員はうつむいて、口々に恐怖の意をあらわにした。ルート士爵は茜の顔をチラチラ見て、マジですか、マジにやるんですか?と表情が訴えていた。

「早くやれルート!やらないんならお前のを縦に切るぞ!」ルート士爵は茜の命令に驚いた拍子にスパッとやってしまった。それを見た男性隊員はみんな自分の股間を手で覆った。拷問を見ていたレプは泡を吹いて気絶したが今度はテレパシーで起こさなかった。この恐怖をレプに広めるために。

「こいつらはここに放置する。急いで装甲偵察車に戻るぞ。戻ったらC地点方向に向けて信号弾を発射、色は緑だ」マーシャル隊は全員ノーライン、ワイドラインに向けて走り去っていった。走りながら隊員は、茜に聞こえないように、

「アイツもうメスのオッパイ揉んでも感触解んないんじゃネ」とか、

「アイツもう立つことできないだろ、立って後ろからできないんじゃネ」とか、

「アイツ肛門もう一つ作ったほうが良くね」とか、

「縦に切る発想はなかったわ〜」とか、

「女って怖いな〜」と誰かが言ったとき、女性隊員全員が自分の顔を人差し指で指し、顔を左右に振った。

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