第8話 王宮
任務の話を聞いたその日の午後、王から直接王宮に呼び出されて王宮の謁見室にて王に会った。
「スカーレット卿、王直属特務機関の卿に今回の作戦について余から直々に勅命を与える。」王からの勅命?特務機関員は任務の話を聞いた後で形式的に王から勅命を受ける伝統かな?と茜は思った。
「レプに接触して騎士団の裏切り者を聞き出せ」王の口から衝撃的な内容を聞かされた。
「卿はこの勅命を遂行するために必要な特殊能力を持っているのであろう。何としてもこの勅命を秘密裏に遂行せよ」
「分かったら下がるが良い」茜は謁見室を後にした。
謁見室を出て出口に向かって歩いていると
「お嬢ちゃん、ちょっと良いかしら?」と声が聞こえてきたが無視して歩いていると、
「無礼者! 王女殿下に声をかけられて無視するとは何事か」王女の付き人らしき男が茜の腕を掴んで怒鳴った。視界に入った王女は確か第二王女のメリーシープ。王女は目鼻立ちがクッキリしている美人だ、おまけに胸にはメロンが二つ入っている。私の最も嫌いな女のタイプだ。
茜は周りを見回し、
「お嬢ちゃんに該当しそうな子供は見当たりませんけど」
「貴様、ふざけおって」と殴るそぶりを見せたので、八極拳の鉄山こうを相手にかました。茜は幼少期から台湾出身のお婆ちゃんに八極拳を習っていた。
「グェッ」の声と共に男がすっ飛んでいった。
「私を呼ぶんだったら、可愛いお嬢さんとか、ナイスバディのレディーとか、メロンのようなおっぱいの彼女〜とか言ってもらえるとすぐ私のことだってわかるんだけど・・・・」
「あなた、自分で言ってて虚しくない?」呆れた顔で、王女様が聞いてきた。
「全然、全部私に該当してるじゃない」自信満々に言ったので、周りは呆れ顔+疲れ顔になっていた。
「私に何か御用ですか?」
「先ほどお父様のところに来て何のお話をしたのかしら?」話の内容は当然秘密なので適当なことを言った。
「私が陛下より下賜される荘園の件で、私から出していた条件について不明なところがあるので、王宮に来るよう連絡があったので伺いました」
「そう、素敵な荘園を戴けると良いですね」と言った王女の顔は微笑んでいたが目は怪しい光を放っていた。
「そうだわ、今度お茶をご一緒にいかが? あなたはお父様の眷属になったんですもの、今後も親しくお付き合いしたいわ」
「あのー、眷属ってなんですか? よく分からなくて」茜はずっと疑問に思っていたことを口にした。
「簡単に言うと、お父様の忠実な部下になったってこと。上位の騎士から命令を受けてもお父様の命令が優先される様に体に刻まれてるのよ」
「そうだったんですか。例えば、王様から夜伽の命令があったら体が自然に従っちゃうってことですか?」茜は恐る恐る聞いてみた。
「まあ大体そんなとこだけど、フッフッフッフッフッフッ、あなたに夜伽の命令はでないと思うわよ」王女は笑いながら言った。
「だって、お父様の女性の好みは巨乳だから、フッフッフッフッフッフッ」と笑いながら王女はこの場を去って行った。王女の後ろ姿に向かって茜は負け惜しみの言葉を言った。
「まだ十七歳だからこれから大きくなっていくんです〜。いつかはGカップになって胸の大きく開いた特注の制服着てやるんだからねー」怒りを抑えながら茜は王女と別れた後王宮の出口に向かって歩き出した。
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