第5話 神聖なのに曰く付き
あれから10日経った。
自分の身体の進化の可能性を探る為、考えついて実践できるものを試していた。
その中で分かったことがある。生死に関わるものや危機に瀕している時に関して進化にブーストがかかっているというものだった。
一日目何も食べずに寝た後と前との空腹具合か二日目では明らかに少なくなっていた。
これは気のせいとかではなく、三日目もより少なくなっていた。
この結果から一日の消費カロリーが減少している事が分かった。
一日目はともかく、二日目と三日目は何も変わらない一日を過ごしていた事から生命維持のため無駄な機能を低下させてその分の余剰を出していたのだと結論づけた。
理由としては空腹の増える量は減ったが、その分体調は悪くなっていた。
10日では燃費を削った分の補強と性能上げが間に合っていない為、ただただコストを削って耐えているだけだった。
流石に三日に一度食事しないと正常な思考が保てないと理解したので、ゴトンでカロリーメイトみたいな固形栄養食を買って食べた。
それを選んだ理由は1番安いからだった。
Nの1番安いという事で味はお察しの通りである。
一食100GPもするのにこんな味となると、他陣営の眷属達は稼いでいるという事である。
そして、こんな栄養食がガチャで当たった時はガチへこみするだろうなと思う。
視力に関してはあまり成果は出ていなかったというより、味覚以外の五感が全体的に伸びた感じだった。
暗闇での過ごし方は慣れてきたのも大きく今では暗闇でもストレスなく過ごす事が出来た。
そして、この恩恵はラック自身だけではなく、配下やこの星に棲む生物に対してもある事があるようだ。
これはゴトンの恩恵説明にも書かれていた。
ガチャで引いたフェニックスの図鑑の項目が白くなっていた。
これはこの種は更に分化した事を意味していた。
つまり、この星に適応して新たな種へと進化したのだ。
アブリウルスもミスリーアダマンタイトが悪影響を及ぼしているのか項目の色が赤くなってきている。
これが血のような鮮血色になった時がこの種は適応出来ず絶滅したと言う意味である。
(遂に10連分が貯まった。今度こそ最低保証じゃない事を、ワシのガチャ運・・・来い!)
十日が経って念願の最低保証が約束された10連が貯まった。
ゴトンの画面と睨めっこを繰り返して集中と無の境地に立ち画面をタップした。
(来い!来い!!こーい!!!)
SSR
筆記用具
幸運の青い鳥の羽ペン
サンタ
最高級の世界樹ソリ
原生生物
氷象
デザートフィッシュ目
雷蜘
セシコーラル目
玩具
世界一のけん玉職人の最高傑作けん玉
家具
四次元宝箱
神獣シカーンの剥製
GR
建造物
神造教会(監修クルと愉快な仲間達)
(・・・・また、爆死だ!!!!それも前より今!!役に立たねぇ!!!)
伝説の幸福を呼ぶと言われている青い鳥の羽を使った最幸運羽ペンである。
この羽ペンで書いた手紙自体にも幸運効果が乗ったお守りとなって持ち主を守ると言われている。
羽ペンで書くためのインクが無い上にこの暗闇で手紙を書くなんて芸当無理である。
何より送る相手がいない手紙ほど悲しい物はない。
いつの間にか座っていたこの最高級の世界樹ソリ。
説明によれば世界樹の木材をふんだんに使ったソリであり、座り心地はもちろんの事、引くトナカイも楽チンで引ける浮遊付きである。
引く方も座っている者も治癒効果が付与され続けるため、快適さは最高品質である。
ただ世界樹を信仰している者には世界樹を切り倒した証拠品みたいな物であり、殺戮対象になるため世界のサンタは日々戦っていると言われている。
(その世界のサンタは何をしているんだ?)
氷象は文字通り氷河近くに生息している象であり、その毛皮も肉も最高級品として世界の貴族から常に狙われているため、凶暴かつ巨大な個体が生き残った結果、成体が平均10メートルを超える種へと進化した。
その巨体に見合った鼻は山をも壊すと言われている。
デザートフィッシュ目
水中ではなく地中に適応した魚類であり、その種は200種を超える程繁栄した種である。
大きくは3メートル以上から小さくは2センチくらいの種まで、大きさの多種多様である。
アマシアデザートフィッシュと言われる世界最大のデザートフィッシュは砂漠のマグロと言われるほど美味しく刺身が最高だと言われている。
雷蜘
雲のように軽い身体で空中を泳ぎながら雷鳴の如く糸を吐き出して獲物を捕らえると言われる妖怪だが、その正体は雷を食べる蜘蛛であり、地上に出す糸は雷雲がから地点に体を固定するものである。
その糸は最高級の生糸になる。
その糸で編まれた服は最高品質の絶縁体になる為、電気系を扱う仕事には感電防止に最適の防護服となる。
この糸で出来たドレスで災厄の魔女と言われた雷を操る魔女の魔法を封殺したと言われる。
セシコーラル目
氷の中で生息しているサンゴであり、宝石サンゴと言われる種が属している。
その身体はクリスタルに酷似している。
欠片だけでも億を超す程の値段がつく種もあり、加工品は更に高値で神聖な儀式をする時に聖女が身につける装飾品にも採用されている。
厳密には海中のサンゴよりクラゲの方が近縁である。
(セシコーラル目以外絶滅するな。特に氷象。)
ラックが何故氷象が真っ先に絶滅すると思うのかと言うと、酸素が極限まで少ないこの星で生物が乱入して生存できるほど生易しくない上草食動物であるこの象にはそもそも餌がないのである。
フェニックスは伝説級の生命能力で無理矢理適応したのだろうが、そんな生命力を巨大のパワーが売りな象に求めるのがおかしいのだ。
明らかに地中にある氷に生成されるだろうセシコーラル目以外厳しいだろうと思ったのである。
だが、数日後ラックは思い知ることになるSSRの底力を。
世界一のけん玉職人最高傑作けん玉
世界から賞賛されたけん玉職人が己の人生を賭けた最高傑作のけん玉であり、けん玉職人亡き後、世界中のけん玉選手がそのけん玉を求めて血で血を洗う世界戦が始まった。
(いや、そんなけん玉貰っても仕方がないんだが。)
四次元宝箱は高価な物なら何でも幾らでも入る便利な宝箱である。
通常SR以上なら入る為、ラックのガチャから出る物は大概のものは入るのだ。
(・・・宝箱って家具に入るのか?)
神獣シカーンの剥製
遥か昔から崇め奉られていた鹿の姿した神獣である。
その神獣を密猟して剥製にした天下の大罪人が生涯をかけて製作した芸術品であり、世界中の人が血眼になって探したが、その大罪人は壮絶な拷問を受けても死後も話すことはなかった。
伝説の品である。
(何で信仰に真正面から喧嘩を売っている品が神が作ったガチャに入っているんだよ。しかも一度に二品も入っているんだ。)
今回の最低保証であるGR神造教会(監修クルと愉快な仲間達)。
神達が天界にある建材を集めて悪ふざけしまくった結果、予想以上にやばい教会が出来てしまった為、永らく封印されてきた曰く付きな神聖な教会である。
その姿は暗闇の中でも存在感を感じる程の神聖さを放っている。
天界の建材で出来ている為、下界で傷をつけれる物は片手で数えれる程のものしかない。
死者すら蘇る程の神聖さで満たされ続けている教会内は誰もが心を蝕まられると言われている。
(神聖さなのに蝕まられるって・・・曰く付きとも書いてある事から絶対何かあるが、この暗闇だと上に上がるのも無理だな。と言うより上がれたとしてもエレベーターが直接教会に繋がっているか分かっていないのに上がれるわけがない。)
説明を読んでもやっぱり今役立つものではない事に落ち込むラックだった。
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