第3話 最初の爆死!!
ガチャの縛り特典は最低レア度がSSRになっている事、そして、最高レアであるGRが一つ最低保障としてついている事である。
毎日、1日一回無理ガチャがあるが、これは通常溜め込む事が出来ないが、縛り特典に溜め込みが可となったので、10連にして最低保障付きにする事が出来るのだ。
ガチャは自身の主神である神のクエストやその派閥のクエストをクリアする事でガチャを回すことができる。
ラックには関係ない事だが、このクエストにはガチャの種類を増やす物があったりする。
ラック場合は期間限定のピックアップに変わっていた。
但し、クエストの難易度も縛りとして上がっていた。通常だったとしても難しい状況であるのにその上、難易度が高いとなるとこの10連はかなり重要となっていた。
正確に言ったら最低保障のGRである。
(いざ!)
ゴトンのガチャアプリからガチャボタンを押した、その画面には排出内容も書いてあるのだが、ただガチャでも膨大な量の内容物を更にランダムとして全てのガチャ排出内容が書いてあるのだ。
そんな読み解いてこれ欲しいな〜と思っている時間はラックにはなかった。
と言うより物欲センサーを鈍らせるために、前世でも攻略サイトや排出内容も出来る限り見ない様にしていた。
憎っくき物欲センサーを掻い潜る為、ラックは無心で回す術を身につけているのだ。
(はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!)
ゴトンが光包まれるとゴトンの画面には黄金の触手が9本と虹色の触手が映っていた。
触手一本一本が景品になっていた。
ラックはカプセルではないのかと、少し気持ち悪いと思っていた。
ウニョウニョと画面に映る姿は触手のリアルさを上げていた。
結果!
SSR
楽器
天使のラッパ。
堕天使のピアノ。
服飾
聖なるサンタ服。
世界最高峰のハンカチ
聖母のブローチ
鉱脈
ミスリーアダマンタイト
原生生物
青いフェニックス
設備
最新鋭人工衛星
装備品
世界一の万能砥石100ダース
GR
設備
全世界最高峰の全自動カーペット
(さ、最低保障・・・・)
見事な最低保障の爆死である。
まず、天使のラッパと堕天使のピアノはシェルター内の何処かに置かれる音と共に今まで聴いてきたラッパとピアノより旋律な音が少し鳴っていた。
知り合いに少し教えてもらった事がある程度のど素人には宝の持ち腐れでしかない物だった。
装飾は当たりの部類である。
聖なるサンタ服はいつの間にか着用していた。
圧倒的な着心地はまるでオーダーメイドをされたと錯覚するほどだった。
転生してから裸だったから肌寒くなってきていた。昼は灼熱、夜は極寒地獄であるこの星では昼間のシェルター内は蒸し風呂状態、夜中は氷風呂状態になるのだった。
丁度、日が沈みかけていたのか、シェルター内の温度は下がっていた。
だから、サンタ服は助かっていた。
(おぉ、それに帽子に付け髭まで付いている。良いな。暗くて姿は見えないが、このサンタ髭はワシ好みだ。)
前世で叶わなかった夢が一つ叶った。
ラックはカーネルサンダースやダンブルドアの様な髭に憧れていたのだが、老人になったラックの前世はぬらりひょんの様な佇まいでサンタ髭は似合わないと妻に止められたのである。
それがこんな形で叶うとはラックは思っていなかった。
(ハンカチは服のポケットにあって、ブローチは身につけているのか。)
暗くて柄は見えないが、ハンカチの手触りはシルクを超えた感触でいつまで触れる気持ち良さがあった。
生地だけでは無く、見なくても最高の職人によって織られた物だと理解できた。
ブローチに付いている宝石は完全な暗闇な中でも煌びやかな存在感を放っていた。聖母の名がついているだけであって宝石だけじゃなくて全体から聖なるオーラが溢れ出していた。
サンタ服にブローチがファッション的に合っているのか分からないが、聖同士で気品的には合っているのが感じられた。
(鉱脈はこのシェルターの地上近くの山脈に生成されたのか。原生生物もこの星で最も適した環境に生成されると・・・・)
ミスリーアダマンタイトはミスリルの魔力伝達率とアダマンタイトの耐久性を掛け合わされた魔法武器を製造するのに最も適した鉱物の一つだった。
今のラックには外に出る術もなければ採掘するツルハシすら無かった。
フェニックスはその名の通り不死の鳥であり、高温の炎を纏っている。
青いフェニックスはその中でも再生能力も炎の温度も通常のフェニックスとは隔絶した能力を持っていた。
その星内に適した環境がない場合、比較的適した環境に生成されるのだ。まぁ、一瞬で絶滅してしまう事が多々あるが、SSRにもなると適してなくても適した環境に変える事も造作のない事だった。
(人工衛星は受信機がない為、意味は無しか。)
ゴトンに受信機の設計図が追加されていたが、それを制作する技術者も、材料も無かった。
無駄にこの星をグルグル回っているだけの宇宙ゴミになっていた。
何が最新鋭なのかも今では確認する術はなかった。
砥石は背後から凄い音で積み上がっているが聞こえた。
ガチャを回す前は空間だった場所が壁になっていた。少し押してもビクともしない重量感があった。
刃物が無いのに砥石だけあっても意味はない。
この砥石はダイヤモンドより硬度は上らしく、ダイヤモンドも研磨する事も出来るそうだ。
ダイヤモンドの硬度を10とするとこの砥石は30らしい。馬鹿ほど硬い意味不明砥石である。何で砥石にしているんだよとラックは思っていた。
それが100ダース。つまり、1,200個もあるのだ。これが造られた世界ではあまりにも希少な鉱石で出来ている為、一個で一生遊んで暮らせる程の値段がついていたそうだ。
その上、砥石の見た目も宝石の様に荘厳な為、砥石として使わず、飾られている事が殆どだったらしい。
(いや、だから何で砥石として開発しているんだよ。あれか、あまりにも硬すぎるから研磨して成形する事が出来なくて砥石にしかならなかった頃の名残とかか?)
最後のGRである全自動カーペットはガチャで引かれた瞬間、冷たかった金属の床から暖かくフカフカなカーペットになっていた。
神様とあった白い世界を彷彿とされる柔らかさをカーペットから感じた。
全世界とは神々が管理する世界全てという意味であり、その全世界最高峰の全自動カーペットとなると相手に合わして最適な温度に調節するのはもちろん、自動浄化も自動修復機能も付いていた。
これで布団がなくても安らかに眠れそうだとラックは寝転んだ。
このまま寝たいところだが、酸素がいつまであるか分からない状況で眠るなんて出来なかった。
酸素があっても酸素濃度が低下してしまうだけで思考能力は低下する。まだ、酸素濃度がある内にまともな案を模索しないと酸素があっても死ぬ。
(?なんだ?)
闇の奥でガタンッと何かが作動する音がした。
でも、このシェルターの初期設備は何もない上、ガチャで当てた物にもそんな音がする物はなかった。
まさか、人工衛星が落ちてきたか?と少し不安に思いながら音がした方に歩いて行った。
あまり初期地点から歩くのは良くないと考えていたのだが、ガチャで何も解決する術が生まれなかったから。この音に賭ける事にした。
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