第14話 イタリアン

「どうだった?」

「いい感じだと思う。楽しかったし。雅夫さんはどうでしたか?」

「まあ俺も楽しかったよ」

「じゃあ、入部決定かな」

「そうだな。いや、決まってよかったなあ」

「じゃあ今日はお祝いで、何か食べに行く?」

「昨日外食しただろ」


 二日連続外食は贅沢しすぎだ。


「えーでも私のお金があるから。それに雅夫さんだって外食したいでしょ」

「まあ、それはそうだが」

「じゃあ決まりね! 行こ!」


 と、勢いに押されて今日も外食と言うことになった。


「どこがいいかな」

「うーん。昨日は肉の店に行ったからなあ。今日は用洋食店に行くか」

「洋食店? イタリア料理とか?」

「そうだ」

「じゃあ今から予約取ろうよ!」


 と、昨日行った所より若干高い店に行った。ここはたぶん普通に食べたら一人、六五〇〇円くらいはかかる店だ。そろそろ俺の金銭感覚おかしくなってしまいそうだな。まあおいしい料理を食べれるのは幸せなことだ。素直に喜んでおこう。


「じゃあ頼もう」

「おう」


 と、とりあえず、アヒージョ、ソーセージ、パスタ、ガーリックパンなど、多種多様な料理を頼んだ。もう、これだけで五〇〇〇円とかゆうに行っているだろう。恐ろしいことだ。マジで金銭感覚おかしくなりそうだ。


「いただきます!」


 まずアヒージョを食べた。おいしい! オリーブオイルの旨味がしっかりと、肉やキノコについている。

そしてブレッドをちぎってアヒージョにつけて食べた。うん! この食べ方もおいしいな。


「どうだ? アヒージョは」

「なんか、初めて食べたけど、おいしいね。最高」

「良かった」


 そしてウインナーも届いた。


「ねえ、これ、アヒージョにつけるとおいしいよ」

「ん? ソーセージをか?」

「うん!」

「どれどれ」


 と、ソーセージの先をオリーブオイルにつける。これはこれでありだな。


「合うな」

「でしょ! 気づいた私に感謝してね」

「ああ、感謝するよティア」

「えへへ」

「カルボナーラパスタと、明太子パスタです」


 と、頼んでいたパスタが届いた。


「パスタ食べていい?」

「いいに決まってるだろ。俺に訊くなよ」

「えー、いいじゃん。訊いても」

「そうはいってもだな。まあ、早く食べたほうがおいしいからな。食べるぞ」

「うん!」


「おいしい!」

「おいしい!」


 最高だ。おいしすぎる。これは最高だ。


「これだったらいくらでも食べれるね」

「ああ、本当にな」

「おいしすぎて、最高!」

「ああ」

「あ、一口交換しよ? いい?」

「ああ、別にいいが」

「じゃあ、交換しよう」


 と、パスタの皿を交換する。


「明太子もおいしいな。たらこがパスタといい感じに絡んでいて」

「でしょ! どっちがおいしい?」

「それ比べるものか?」

「大事だよ。口が利くのは」

「ろはいえ、どっちもおいしいでいいだろ」

「順位が大切だよ。おいしさを決めるのはね」


 と、言われたが、別にどっちもおいしいでいい気がする。そりゃあ結構いい感じの店の料理だ。おいしくないわけがない。その中で一番を決める。確かにそれも一興なのだが、どっちもおいしいし、それは気分でいい。が、



「カルボナーラかな、どっちかと言われたら」


 あえて順位を決めるとしたらそうなる。まあどっちも美味しいのだが……


「じゃあ今度来た時は雅夫さんはカルボナーラ頼むのね!」

「いや、そんな訳ないだろ。それは完全に気分だわ」

「えへ」


 と、そして今日の食事会は終わりとなった。

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