第10話 料理しまくる

朝…私はお弁当作って、子ども達との朝ごはんは簡単な納豆とかを食べている。

そこへ仕事が遅出で起きてきた夫は、野菜だの肉だの切りフライパンでジュージュー焼き、自分だけ手間のかかった朝食を食べるようになった。


軽くイラっとするんだよね。

こっちは、弁当3人分用意しながらの朝食で、簡単なものを食べてる。子ども達にも

「朝ごはんなんて、パパの子供の頃は海苔とか納豆だったよ。ママもお弁当の用意しながらなんだし、仕事あるから支度もしなきゃなんだからね」

と自分で言ってたくせに、目の前で朝から何してんのよ!?

私には

「朝は忙しいんだから簡単でいいよ。色々作ってあげたい気持ちはわかるけど、海苔とかでじゅうぶんだよ。ママも楽してさ、節約もしないとだしね」

とかなんとか言ってたじゃん。


節約はどうした?


しばらく様子見してたけど、変わらないので

「作るのは良いから、子どもら学校行ってから作ってよ」

と言うと

「そっか、みんなの分も作ろうか?」

「いや、弁当作ったりIH使うから邪魔。てか、朝からガッツリ食べないからいらないのよ。それでも、パパだけ…ってなるじゃん?」

「わかったよー」

ショボンとする夫をみて、心が痛む。


夫が料理を始めたら、最初の頃は内心イラっとすることが多かった。

嫉妬…なのかな。

ママの手抜きがバレそうだから、とか?

自分ファーストで料理してるから?


でも、夕飯とか、休みの日のお昼ご飯とか、家族分作ってくれる事が増えた。

そして美味しいのだ。ビバ!クックノート!


だんだん、慣れてきたらイライラしなくなってきた。


私の仕事が昼までで帰ってくると、テーブルにお昼ご飯が用意されてたり、サラダもスープもあって…。しかも、夫はその後仕事に行く。


自分の出勤前とか、仕事から帰宅したら真っ直ぐキッチンへ行き、料理し始めたりするようになった。


「家族に作って『美味しい』と喜んで貰えるのが嬉しくて楽しいんだ」

と夫は言う。


『ママの領域は侵さない』と約束させた。

ママの領域とは、

・オムライスとかハンバーグといった、子どもが大好きなレシピ

・お菓子作り

・パパが好きなママの料理


「これらに手を出したら、私は今後いっさい料理をしない」

と宣言しといた。


私の好きなもの「鶏肉料理」

チキンカツ、照り焼きチキン、唐揚げとか色々ある。焼き鳥も大好き。

夫は、鶏肉料理を始めた。


最初に作った鶏肉料理は

「タンドリーチキン」

私が仕事を終えて昼に帰ってきた時

お店のランチ風に、テーブルに用意されてた。

そして、美味しかった。

今はレシピが沢山あって、割と失敗なく作れるから楽しいようだ。


私は、夫の早出の朝は寝てるし、遅出で帰ってくる時も寝てる。つまみは用意しとくけど簡単なものばかり。

なのに、私の昼ごはんは、しっかり作ってくれる。三交代で遅出の3日間、夜勤初日は必ず用意してくれてた。

自然と私も、夜の酒のつまみに手間をかけるようなったり、遅出の帰りは夜遅いから寝ちゃうけど、数品作ったりした。


当然、節約はどこへやら。


夫は、自分の小遣い分を料理に使うようになってた。スーパーで買い物もするようになり

「野菜が高くなってるね」

「会社の近くに出来た店がさ、刺身とか安いんだよ」

など主婦的会話も出来るようになってた。

ポイントカードもバッチリ使いこなす。


料理が趣味と言えるレベル

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る