第9話 魚肴

イワシ唐揚げが、よほど美味しかったのか

ちょいちょい釣りに行くが、ボウズが続く。


たまたま試験休みで家にいた上の子と夫の2人で釣りにいったら、小さい鯖を30匹くらい釣ってきた。

「また唐揚げにしよーよ」

子どもは目をキラキラさせて言う。

「これって、リリースサイズじゃない?」

と言う私に

「だって、凄い楽しそうに釣ってるからさー」

どうやら、夫も楽しかったようだ。


「じゃぁ、頭落とすからー、パパはココ!お腹のとこの内臓出して」

と、頭を落としちゃー、夫の方へポイポイ鯖を投げてく。

夫も隣で、次々と内臓を出してザルに入れていく。

「水で洗い流したら、キッチンペーパーで水気を取るよ」

そう言ってキッチンペーパーを広げる、そこに鯖を並べていき、上から更にペーパーを被せ水気を取る。

「唐揚げ粉を買ってきたから、それ使ってみて良い?」

と夫がバッグから取り出した。

「うん、いいよ。美味しいと思うー」

でも、やはり揚げ物は怖いようで、私の方を見てる。見んなや…と思いながらも

「まず、メニュー押して、揚げ物ってとこに合わせてスタート。温度は180度でいいよ」

とIHの使い方を教える。

ピピッと温度が上がった音がする

「じゃぁ、唐揚げ粉をまぶしてー、揚げる」

ジュワーーっと音を立てる。

「おおっ」

夫は、油が跳ねてきそうだと腰が引けてる。

「大丈夫だよ。跳ねても大した事ないから、それより揚げ物してる時は絶対に離れちゃダメ」

「揚げてる最中に、トイレ行きたくなったり、宅配が来たら?」

だから、絶対だと言っただろう。何聞いてたの?とか、うっかり心の声が出そうになる。

「必ずIH止めてから」

「まだ揚がってなくても?」

「なくても」

「わかった」

「ちょっとだけだからーが火事の元よ」

「はーい」

そうこうしてたら、揚げ終わった。

「さぁ食べてみよう」

子どもと夫に、先に食べさせてみる。

「んまっ!んまっ!んますぎる!」

子どもは大興奮。

「鯖特有の臭みは全くないし、めちゃくちゃ美味い」

夫も大興奮。

「私も食べるー。んーーーっま!」

鯖へ元々好きだけど、これはたまんないわ!

うますぎるーー明るい時間だけど冷蔵庫からビールを出して飲んじゃう!!

小さいサイズだから骨も柔らかい。


揚げ物も出来たと、自信がついたのか

クックノートを毎日見ては、色々と作るようになった。

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