結婚するまで包丁も使った事なかった夫が料理好きになった話

第6話 このパターン

「鯵買ってきたから3枚下ろしやってみる。Youtubeでも何度も見たから」

頭の中でイメトレは出来てるらしい。

初めてだから、上手く皮が剥けず身が持ってかれる。

骨の周りに身が多い。

刺身にするにも、食べるとこがあまり無い。

「難しいーーーー」

悔しそうにしてる。

「勿体無いから、骨焼いちゃおう」

焼き魚になるくらい身が骨についてるから。

それはそれで美味しく頂きました。

「もう一回やる」

と、まな板の上に鯵を乗せる。

「ちょっと待ったー！」

私がストップをかけた。

「うちの包丁は、どれも研いでるけど、やぱ果物ナイフじゃダメじゃね？」

「ええー、なんかさ大きい包丁は怖いんだよね」

うん。うちの夫は絶対に人を刺さないな。

とか、どーでもいいツッコミが頭の中を過ぎる

「小学生だって、家庭科の授業でもキャンプでも包丁使うよ？」

と三徳包丁をまな板に置く。

三徳包丁をビビりながらも使って、捌いてみたら、さっきよりは身が多く取れた。

でも

「やっぱり小さいやつがいい」

と果物ナイフに戻していた。

三尾、全て下ろしたが、まだまだ大して身が取れない。

力が入っちゃうせいか、身が潰れてしまう。

「慣れるしかないね〜」

潰れたのは、見た目が悪いからフライにして誤魔化した。

こんなに鯵をボロボロにしときながら

・・・【鯵】にハマった！！

休みの度に、5尾買ってくる。

毎度このパターン

しばらく、鯵が続く。

塩焼きとタタキが並ぶ。

「鯵だけだと飽きるかな？と思って、サーモンとか他の刺身も買ってきたよ」

と刺身三昧で子ども達は大喜び。

私の財布から金が出てる訳じゃないから良いんだけどさ、魚好きだし良いんだけどさ

そろそろ、鯵じゃない魚が食べたい！

鯛の煮付けとか！鯖とか！銀鱈とか！

下手に買い物すると、夫の買い物と被るから買えない。早く遅出勤務になれ！