第2話 初めてだから優しく
結婚して間も無く、長女を妊娠・出産。
義母との同居もあり、毎日頭のアンテナをフル回転。
そんな生活も三年経てば慣れてくる。
慣れたからといって、疲れない訳ではない。
楽はしたい。家事は嫌いじゃないけど、好きでもない。やらなくていいならやりたくない派
ある日
「ね、この唐揚げ美味しいんだけど!どうやって作るの?」
と聞いてきたので、ざっくり教えると、
油で揚げるのが怖いだとか、包丁で鶏肉切るのが怖いだとか言って
「俺にはハードルが高い」
と諦めモードに入ろうとしていた。
「じゃぁさ!パン焼いてみない?」
「ええ?パン?難しそうじゃん!益々ハードル高いよー」
「いやいや.パン捏ねるのってさ、結構力いるしー男の人の方が美味しく作れそうじゃん」
と、一押し。
「クックノートとかで探せば、簡単レシピありさうだし」
「焼きたてパンなんて、子ども大喜びしそう!私も喜ぶーー!」
と、ニ押し。
「じゃぁ、ちょっと挑戦してみようかなぁ」
と不安気に言う夫。
「材料は、うちにあるもので間に合うよー」
と粉やスケールを出しておいた。
「んー、あ!なるほど、うん、うん、、、」
とレシピを見ながらブツブツ
「よし!やってみるか!」
どうやらハードルが下がったようだ。
キッチンでパンを作り始めた。
最初は、本当に何もわからない。
ボウルはどの大きさを使えば良いか
「混ぜやすい大きめか良いかもね」
スケールの使い方
「ここ押すと、入れ物の重さをゼロに設定出来るから、測りやすいよ」
どのくらい混ぜるのか
「粉が残ってるような雑な混ぜ方はダメなの」
「ここからが本番よ!たかが15分と思ったら大変よ!頑張って捏ねて!パパがんばれー!」
子どもも一緒になって
「パパ。がんばれー」
最初は、誰だって必死。
わからないのを「わかるでしょ?」と上から言われるのは嫌だよね。
「子どもと一緒に洗濯物取り込んでくるね」
と、あんまりウロウロしてても、やりにくいかなと離れてみた。
洗濯物も畳終わり、キッチンに戻ると捏ね終わるとこだった。
「ママ、一次発酵で濡れ布巾使うんだけど、どれ使えば良い?」
ちょうど良い大きさの手拭いがあったから、それを、熱めの湯で濡らして固く絞り、渡した。
「あちち、こんなに熱くていいの?」
「うん。広げて一回バサッと広げるだけで温度はグッと下がるから」
実際にバサッとやると、布巾がぬるくなったのがわかったらしく
「なるほど」
と感心していた。
「あー結構疲れるね」
「初めてだから、レシピ見ながらだし、ボウルはどこ?とか聞きながらだしね」
「そうだね、思ってより大変」
「でも出来たでじゃん」
「うん、ちゃんと発酵するかな?」
「こうやって、待ってる時間に、洗い物をしてシンクを綺麗にしとくんだよ。今日は私が洗ってあげるから、拭いてくれる?」
「あ、うん」
片付けは想定外だったようだ。
わかる!料理って、片付け面倒くさい。
でも、忙しく動きながら、料理が完成した時にシンクも綺麗になってると、内心1人でドヤっちゃうなー私。
さて、パンは無事発酵するかな?
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