とりあえずワインを造ってみよう 前編
『エステート シャルドネ
2021
クメウ リヴァー』
クロアチアからの移民であるブラコヴィッチ・ファミリーによって、NZ最大の都市オークランドの北西に位置するクメウ地区に設立されたワイナリーである。
現在は、二代目の妻メルバとその息子にしてNZ初のマスター・オブ・ワインのマイケルを始めとする一族の運営によって、国際的な高評価を得ている。
「素晴らしいワイン造りには科学的要素と芸術性のどちらも重要である」との信念を貫き、特にシャルドネはワイン界で確固たる地位を築いている。
今回のワインは上級クラスのシャルドネ、早速開けてみよう。
ブルゴーニュグラスに注ぐと一気に香りが広がってくる。
樽由来のナッツ系の香りがやや強く感じ、口に含むと熟した桃の味わいがあり凝縮感と切れの良い酸味がエレガントだ。
ただ単純に良いワインだと褒めよう。
『どんどん焼き』
日本各地でソウルフードとして親しまれている粉もの料理である。
ちょっとチープなお好み焼きといった感じの食べ物で、箸に巻いてあるのが特徴、今回は山形県内陸部風でやってみた。
作り方は基本的にお好み焼きとほぼ同じで、水で溶いた小麦粉の中にネギや紅生姜、キャベツをみじん切りにし、他の具材と混ぜ合わせて薄く伸ばして焼く。
それから魚肉ソーセージや海苔等をトッピングし、割り箸に巻き付けてお好みソースを塗ってあげれば完成だ。
実食。
味は軽めのお好み焼きであり、どこか素朴で単純な味わいだ。
それ以外に褒める所がない程、軽い腹ごなしのようなメニューである。
そして、ワインと合わせてみる。
これが意外にも合う。
何となく合うだろうと予想はしていたのだが、ソースの甘味がワインの酸味を際立たせ、柑橘系のスッキリとした清涼感を現してくれる。
なぜか、子供の頃の夏祭りをふと思い出させる。
30年以上昔の夏にも熱帯夜はあったが、夜風には冷涼さもあり命の危険を感じる程の暑さではなかった。
昼間の激しい猛暑が落ち着き、解放的な気分にさせてくれる賑やかな夜、そこには今を生きる力強さをどこか感じさせてくれたように思う。
ワイン造りが行われる実りの秋、この時期は戦場のような忙しさとなる。
しかし、ある種の祭りのようにどこか気分も高揚させられるのだ。
再び学生となったあの頃があったからこそ、ワイン造りという祭りの楽しみ方が分かるようになったのだろうか?
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