第87話 美由と彩芽

「じゃあ、わたしが合図しますから、柏葉くんが扉を開けてください」


 そう年配の警察官が俺に指示した。今回は現場を押さえるよりも、より多くの証拠を集める必要があるため、警察官が突撃するのではなく、俺と美由が先に部屋に入る。


 俺はドキドキしながら、扉に手を触れた。


「ちょっと! こんなこと許されると思ってる!?」


「うるさい。俺はお前の女だろ!!」


 室内から、二人の争ってる声と揉み合う音が聞こえてくる。俺は唾を飲み込んだ。このままでは彩芽が危ない。俺は勢いよく扉を開いて部屋に入った。


「な、ななな、なぜ、幸人がいるんだよ!」


 俺の目に飛び込んだのは、彩芽をベッドに押し倒す川口の姿だった。


「彩芽ちゃん、助けに来たよ!」


「幸人! 美由! わたし……怖かった!!」


 川口は彩芽から離れ、俺に近づいてくる。


「俺と彩芽は恋人同士なんだ! 幸人!! 不法侵入で訴えるぞ!! 俺の父さんはな!!」


「知ってるよ、川口博士だろ」


 俺の首根っこを掴み、川口は顔を近づけた。


「分かってるじゃねえか。お前達は、勝手に部屋に入って来たんだよ。これは不法侵入だよな!!!」


 その言葉に美由は後ろを振り返り、話しかけた。


「これは不法侵入なのかな?」


「いやあ、警察の捜査に協力していただいてるだけですから、違うと思いますけど……」


「なっ!!」


 エレベーターの前にいた警察官2人に気づいた川口は俺の首から手を離す。


「ち、ちちち、違うんです! 何か勘違いされてるかもしれませんが、俺とここにいる彩芽は……」


「無理矢理脅して付き合って性行為をするのが、……恋人と言うのなら、そうなのかな」


「あ、彩芽ぇ、……違うだろ!」


「署までご同行と言いたいところですが、ちょうど個室になってますし、この部屋でとりあえず調書を取りましょうかね」


「ちょ、ちょっと待って、待ってくれ!!」


「だから、ゆっくりと話そうと言うのですよ。わたしはまだ、結城さんからの話しか聞いていませんからね」


「……はい」


 結局、彩芽は今まであった全てを暴露した。川口は必死になって自己弁護をしていたが、ここまで話がしっかりしていると信じるしかない。それに……。


「以前の話に関しては、わたし達も証拠はありませんが、今回に関しては美由さんから提出していただいた証拠写真や動画もあります。これでも、あなたは無理やりしていないと言うのですか?」


「恋人同士なら、許されるんじゃないか?」


「以前は、それで色々な問題が発生していました。そのため、不同意性交渉と言う法律が作られました。例え恋人同士であっても不同意の性交渉は認められません」


 川口には多くの余罪がある。特に彩芽を脅して付き合っていた事実はLINEのデータにも残ってるから、有罪になることは間違いない。


 川口の身柄は拘束されて逮捕となった。罪状がどう言うものになるのかは、今後の家庭裁判所の審判によるそうだ。




――――――





「捜査協力ありがとうございました。これはわたしたちの領域ではありませんが、弁護士に頼んで民事事件で慰謝料の請求をすることも可能です。もしよければ……ですが」


「美由のお父さん、誰か紹介してくれるかな?」


「そうだね。パパに聞いてみるよ」


 確かに民事事件もした方がいいだろう。俺は警察署を出て美由と彩芽と連れ立って歩いた。


「ごめん、散々な初詣になったね」


「いいよ、彩芽ちゃんが川口から解放された事が一番だよ」


「ありがとう!!」


「ねっ!! お願いしてあげようか?」


「えっ、何を?」


「彩芽ちゃんも幸人のこと好きだよね」


「好きだけど……でも」


「じゃあ、ふたりでデート!! したらいいと思うよ」


 えっ、美由、何を言ってるんだよ!!


「わたしはもちろん幸人が好きだよ!! でもね、彩芽ちゃんも同じくらい幸人のこと好きだと思うんだよ!! なら、……」


「えっ、いいの?」


「うんっ、その代わりにわたしともデートしてね。初詣行きそびれちゃったから明後日、行こうよ!!」


「じゃあ、わたしは明日ということ?」


「うんっ……」


「美由……、でも……、俺も男だし……」


「いいよ、わたしが許してあげる!! でもね……」


 美由はそう言って顔を真っ赤にして、顔を伏せた。


「最初はわたしがいいな……だから、オッケーなのはキスまでだよ!!」


 えと、これって道徳的に大丈夫なんだろうか。


「さっ、公園が見えてきたよ」


「寒くないか?」


 その言葉を聞いて、美由と彩芽はふたり顔を合わせてニッコリと微笑んだ。


「わたしたちが暖めてあげるよ!!」


 これはあまりにも美味しすぎる展開だが、人として許されるのか?


「ねっ、幸人が真ん中だね」


「うんっ、幸人が真ん中だ」


「あっ、ああ……」


 俺がベンチの真ん中に座ると右に美由、左に彩芽が座った。


「ねっ、誰もいないから、ちょっとハメを外しても大丈夫だよ。ただし、……今日は着物だから……」


「分かってるよ!!」


「人畜無害な顔して、ここは大きくなってるよね」


「ちょっと、美由……」


「どうしたの」


「汚いよ……」


「幸人のだから、汚くないよ」


「いや、色々とまずくないかな」


「まずくないよ」


「本当だ。熱くなってるよ。ほら、ドクンドクンって脈打ってる」


「いや、彩芽、それ以上、触るとヤバいって」


「何がヤバいの?」


 俺の顔を覗き込む美由と彩芽……。


「発射しちゃったりする?」


 いや、もう、俺の超特急は出口目前まで来てるんだが、このまま発車したら、臭いとかヤバそうだ。


「その時は、着替えたらいいよ。コンビニでも買えるしさ」


 と彩芽。それに美由がアドバイスをする。


「外に出してあげればいいんだよ。ねっ、可哀想だから解放してあげようよ!!」


 いや、そういう問題じゃなくないか。俺は思わず公園を見渡した。こんなところ、美由の両親に見られたら洒落にならんぞ。


「大丈夫だよ。誰もいないからね」


「じゃあ、お願いします」


「うんっ」


 結局、俺は欲望に負け、生で摩ってもらう、溜まっていた超特急は噴水のように発射された。


「うわっ、凄いよ。ヌルヌルしてる。ちゃんと拭いてあげるね」


 着物にかけなくて、本当に良かった。


「ほら、匂ってみて……これが幸人の匂いなんだよ」


「美由、臭わなくていいよ。臭いから……」


「そんなことないよ。確かにイカみたいな匂いだけど、嫌じゃないよ」


 そう言って美由は俺から出たモノをペロッと舐めた。


「おいしい」


「んなわけねえだろ」


「うううん、愛おしいよ」


 美由は嬉しそうに手についたソレを舐めた。粘着性のあるソレは糸を引く。その光景はドキッとするくらいエロい。本当にこれでいいのだろうか?




――――――




カクヨム様、このくらいなら大丈夫ですよね?


これ駄目なら、次回作が頓挫します😅


ちなみにもうすぐ終わります。


⭐︎入れてもらってもいいですよ


それでは、また

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