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ドキドキしながら、初めてハトにメールを送った。
【はじめまして、私のつまらないホームページにメッセージをありがとうございます】みたいな、とても硬い文章だったと思う。
果たしてこのメールをハトが読んでくれるかどうかもわからなかったけれど、それでも私は必死でメールを送った。
つまらない毎日を過ごしている私の日記を読んで、【素敵な毎日】と表現してくれたハトの気持ちを知りたかった。
一日中家に閉じこもり、図書館で借りてきた本を読み、ただただテレビや映画を見る日々。
たまに散歩に出かける。
そんな毎日を、ただ短く、自分なりの言葉で1日の出来事を書くだけ。
それだけでも私には、1日の大切な日課だった。
それでもいい、それだけでいい!
私という存在を誰かに知ってほしかった。
誰かと友達になりたかった。
ちっぽけなホームページだけど、ハトのメッセージはとても大きかった。
ハトにメールを送って、何度も何度もメールチェックしていた。
その日は片時もパソコンの前から離れることはなく、ハトからの返信を待っていた。
返事が欲しい……。
でも、来ないかもしれない。
そんな、なんとも言えない気持ちを繰り返しながら、
やっぱり返事を待っていた。
そして、夜遅く。
メールBOXに、【ハト】を見つけた。
【ちぃさん(私の名前)。メールありがとうございます。とっても嬉しいです。
ちぃさんの日常の詩に、僕はすごく安らぎを感じています。これからも素敵な日常を。】
という、ハトからのメール。
私は泣いた。
パソコンの画面をじっと見つめながら、
ハトからのメールが読めなくなるほどの涙でいっぱいになった。
ちっぽけなホームページを作ってよかった。そんな思いでいっぱいになった私は、
『メル友になってもらえませんか?』
勢いよく、ハトに返信したのだった。
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