エピローグ

 その後、タムタムによって中層に待機していた冒険者達が呼ばれ、気絶していたロイヤルワラントのメンバーは無事に生還を果たした。

 ダンジョンボスの戦闘に関しては、オーガキングの全体攻撃でライオット姫を除く全員が倒れ、渾身の力を振り絞ったライオット姫がオーガキングとハイオーガ4体にとどめを差し、自らも力尽きたと報告された。

 すべてを見ていたタムタムからの報告であり、ライオット姫は戦闘の途中から記憶がないと言う事だったので、冒険者ギルドからも問題なく承認された。

 ダンジョンの異常についてはイレギュラーと判断され、しばらく様子を見ることが決まった。

 クランはその目的を達成したため解散となり、集まっていた冒険者達も、各々がホームとする場所へと帰って行った。


 賑わいを見せていた冒険者ギルドも落ち着きを取り戻しつつあるなか、

「なぁタムタム…本当にこの街のベイカーの噂は間違いだったのか?」

 ガルフが未練たらしく聞いてくる。

「ん?そうっすよ、人違いでしたっす」

 タムタムがしれっと応えた。

「私は、ボス部屋でベイカーの気配を感じた気がするんだけど…特に首筋に」

「姫様何言ってるんすか?あんな危険な空間に、弱っちい斥候スカウトのベイカーが立ち入れる訳ないじゃないっすか!」

「それはそうなんだけど…会いたかったな~」

 ライオット姫が名残惜しそうに呟いた。

「ベイカーの情報は色々入って来てますから、そのうちきっと会えるっす」

「そっか~そうよね!私とベイカーの絆はぶっといもんね」

(姫様…まだ少し狂戦士化バーサーカーの影響残ってるっすか?言葉使いが王女様じゃないっすよ)


「姫様が強引に後回しにした、上級ダンジョンの攻略に急いで向かうっすよ」

 斥候ベイカーとの再会を果たせなかったロイヤルワラントのメンバーはそれぞれの思いを胸に秘めて、次の目的地へと旅立つのであった。

 

 

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斥候ベイカーいないっすよ リトルアームサークル @little-arm-circle

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