〇〇は、戦争

 外仕事から帰ってきた野ばらは、その足で整体に向かい、ついでに銭湯も済ませてきた。少しだけ布団に潜り、脚を伸ばしたものの、やはり気になって眠れない。

 なぜなら、そう。


 カードの支払いが、明日までに用意しないと止まるのである…!!!


 家の中だと言うのに吐く息が白い中、百合愛にLINEをする。案の定起きていたらしく、すぐに出た。


『どーしたの?』

「寒いな。」

『さむいねー。』

「原稿進んでるか?」

『よろしい、ならば戦争だ。』


 かくして、本来ならば数日間滾々と眠り続ける量の睡眠薬を飲んでも、まだまだ元気な2人の長い夜が始まった。


「あー…。」

『どうしたの?』

「スプシの関数が…。」

『あれ、それ即金の仕事だっけ?』

「いや、即金の方はネタはあるんだが辛いから単純作業してる。」

『USBをフロッピー感覚で使ってた人がスプレッドシートの開発なんて出来るの?』

「エクセルとスプレッドシートの違いが分からないお前に言われたくない。」


『うーん…。』

「どうした?」

『野ばらの下読みが足りてなくて、読めないところがある。』

「ん? 俺より知識のあるお前が読めない?」

『だって丸ごと見開き分ないんだもん。』

「それは仕方ないね。じゃあ明日もっといで。」

『明日外仕事あるの?』

「一応ある。」

『はーい。』

「…。ううん!」

『お、終わった?』

「一段落、かな。百合愛は?」

『お絵描きモードにしたからまだ起きてる。』

「じゃだべってようぜ。」


 もちろん、野ばらは布団に入ったあと即落ちした。


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