2月になったので
月末の支払い手続きの書類を追え、野ばらは今日はお寝んねデーのようだった。
よく分からないが、クライアントに「私の給料を減らしていいから、彼の給金をその分増やして欲しい」と、交渉したり、日付変更線ギリギリまで原稿提出をしたりと、今月はいつになく忙しかったようだ。
最近、家具の分割払いも終わったと聞いたのだが、そんなに苦しいのだろうか。
「うーん…。見えん。」
提出前のレシートを見てみるが、百合愛の視界の中で、数字が融ける。
「教会に「マシ」と言われた方にこそ手を差し伸べたい」。
それを理念とする百合愛の意思を尊重しているのか、それともそれに染まったのか。
実は野ばらは、役所の伝達ミスで5万を超える損失を得ている。 その時田舎から「支援金」を貰ったため、今もその代金を「返済」しているのだ。
カルト対策の法律以外は何も心得ていない百合愛にはよくわからないが。生活に困っているということは、調味料の多さが物語っている。つまり、料理する食材がないのだ。
不味くて二度と食べれない! と言った野ばら。
美食な訳では無いが、主に硬さや薄味にこだわりがある。
感染や食中毒の面から、施設の食べ物を外へ持っていくのは禁止されている。
お腹は満たされていても、身体は満たされていない彼女に、何か食べるものを買えないだろうか。
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