尊い色
カトリックと教義が似ているのは、浄土真宗である。本来ならそれらしいものを書いたほうが良いのだろうが、徹底的なフィールドワークを売りにしている百合愛としては、縁を貰ったところと繋がりたい。
と、いうことで、去年仏教の話をしてくれた僧侶に、お礼を兼ねて、擬人化の設定を書いている。
書いているのは良いのだが。
「ねえねえ野ばら。あの綺麗な法衣のうんこ色、どうやったら出るかなあ。」
百合愛は大真面目である。初めて会いに行った時、正装をしていたらしいのだが、その法衣の色が、百合愛には「健康的な赤ちゃんの便の色」に見えたのだ。
野ばらはというと、「金がかかってるな」と思ったので、「坊主丸儲け」というのは本当なのか、とか思っていた。
結局勘違いだったのだが、百合愛は『糞掃衣』という言葉にも興味を持っていたので、尚の事「仏教ではうんこは尊い」と思っている節がある。
確かに、そんな感じは、するような気がしないでもない。
ないのだが。
「茶色は?」
「濃い。」
「黄色は?」
「薄い。」
「じゃ、間を取ってオレンジは?」
「なんか物足りない。」
「そしたら、茶色と黄色重ね塗りしたら?」
「………。おお! 凄い! 立派なうんこ色になった!!」
真面目である。大真面目であって、下ネタを言っているわけではないのだが。
やはり自分達はズレているなあ、と、うなだれずにはいられない。
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