地下アイドルから声優目指しましたがオーディション落ちて異世界旅芸人一座も追放されて、魔人美少年とバディ組んでリベンジしました
兵藤晴佳
第1話 異世界で歌うメシスタントはモンスター上司のパワハラに耐える
私はひとり、古い、目の粗いレンガが積み重ねられた炊事場の隅で、姐さんかぶりを解いた。
自慢のアニメ声にもの言わせて、ちょっと歌ってみる。
ねえ、覚えてるかな
夢を語り合ったあの日
でも、いまはひとり
君との夢を歌うだけ……
中学1年生でハマったアニメがきっかけでアイドル声優を目指した。
親の反対を押し切って、高校と専門学校の合間に地下アイドルもやってみた。
それが今では……。
「アサミ、ちょっと頼まれてくれ」
この宿屋に芝居を掛けている旅芸人一座の座長、ホーソンが、毛の生えたごつい指で、大きな果物を目の前に突き出した。
「リンゴの皮剥いといてくれ」
大きなのが3つくっついて、人間の胴体くらいになっている。
「私飯炊きじゃないんですけど」
「自分の服、食っちまうシーンに皮使うんだよ」
服の切れっぱしに食いつくシーンでもあるのだろうか。
この旅芸人一座と様々な次元を渡り歩いてきたが、やはり異世界のセンスはよく分からない。
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