そうじゃない

食連星

第1話

「TBRシールド展開」

「やってます.」

「あぁそう.

んじゃぁ」

「っ破られました」

「はぁぁぁぁ?」

「ぶち抜かれてますね」

「えぇぇぇぇ?

どっち担当だったのぉぉぉぉ!?」

「お前っ」

「そっちがっ」

「どっちでもえぇわっ

次は!?」

「次?」

「次って?」

「次の手は!?

あぁっぁぁぁあぁ!まじかっ!」

目の前,艦船のガラスがバラバラと崩れてく.

突き抜けた槍は,LFTの槍だろう.

ばぁっと数字と英字が流れてく画面上.

撃沈かよ.

はぁぁぁぁ駄目だっ.

「ちょっと,そろそろ勝ちにいかないと私の命がかかってんのよっ!

右腕っ

ちょっとっ

揉んでとか言って無いのよっ!

信頼してるって言ってんのにっ

何で成果上げないのよっ

こらっそこっ右腕は,こっちとか揉めない!!!」

はぁぁぁ疲れてきた.

「だいたい艦長が」

「何!?

私が何だって?」

「リークだ,タレコミだって」

「言ってた言ってた.

学校名入ってないからって.」

「神の恵みだ天の助けだって言ってたよな.

なぁ?」

「お前らぁ!

あぁたたちが,これは絶対そうだって

言ったんじゃないのよっ!」

「あんな精密な図面でプログラム入ってたら」

「ほらっあぁたも思ったんじゃないのっ!」

「これに対抗するプログラム組めって指示したのは」

「あぁ私だよっ」

「最終的な責任は」

「・・・私に有ります」

けどさっ

『揉めてるねー』

うっわ元凶.

「傍受されています!」

「乗っ取りも」

「見たら分かんわよ…」

画面に顔突っ込みかけながら

「何処の誰のせいだと思ってんの!」

食って掛かる.

『さぁ』

と言いながら心底楽しそうに笑う姿が絶望的に面白くない.

『今日も会えて良かったね.』

「良くねぇ!」

『ほらぁ言動.良くないよ?』

「いいんだよっ!

そもそもお前に合わせてねぇからなっ!

照準はメンバーなんだよ!

その格好に,その言動は頭がバグるからって!

別に男が好きな訳じゃねくて,

女装趣味なだけなんだっ!」

吐き捨てながら,ウィッグを脱ぎ捨て…

たらいけない.

あぁこれ高いんだよって思いながら,

そっと機器脇に置く.ちょっと良いやつ奮発した.

ネットなら投げ捨ててもいいかとも思ったけど,

探すのも面倒だなとウィッグの脇に添える.

前髪をぐしゃぐしゃっとして,側面後頭部とわしゃわしゃした.

はぁ…

ゲーミングチェアに凭れ掛かりながら,上半身を前後に揺する.

「今回も負けだよ.

じゃあな.」

『待って』

「何?

まだあと2戦残ってるよな.

やっぱ無しって言う?

てか言えよ.」

後頭部逆撫でて戻しながら下を向く.

朝から押さえつけられてた髪は短時間で戻っちゃくれない.

『そいつらで勝てんの?』

「え?何言ってんだ?」

は?今更何言ってんの?

こいつらと勝って見せるって豪語したんじゃん.








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そうじゃない 食連星 @kakumi

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