スキー教室の悲劇3

私たちはトボトボとスキー場に戻りました。

その後クラスメイトを見かけ、その後をついていきリフトに乗りました。


二人一組になるので私はA子とB子の後ろからひとりで乗りました。


ぐんぐんと山頂へと登っていく。私は高いところが平気なので足をプラプラさせながらキョロキョロと周囲を見渡していました。


雪が頬を叩いて痛く冷たかったのを覚えています。

そしてそろそろ頂上に着いたかと思った頃、前を向くと、なんと降りるのに失敗したクラスメイトのチンパn……コホン、友人たちが出口に倒れ込んでいるではありませんか!


後続の人の邪魔にならないように倒れた後に雪の上を這っていたのを見た時はどこぞのバイオ〇ザードかと思いました。


そしてその後の友人たちも続々と降りるのに失敗し続け、いつのまにか人間ミルフィーユ状態になっていました。


怖い!


そう思った時でした、リフトが止められました。


私たちはリフトを止めてしまったのです。


そしてミルフィーユ状態になっているゾンビたちは無事に助けられ、私たちトリオも無事に山頂に着くことができましたが、私たちはここでもう力が尽きてしまいこのまま帰ることにしました。


そのまま帰り宿泊施設に戻ろうとした、その瞬間です、まだまだ神は私たちを解放してはくれません。


なんと、A子が雪にハマりました。

雪かきされた場所なのでしょうか?

なぜか1ヶ所落とし穴みたいになっていて、そこにすっぽりと落ちてしまいました。


私とB子はポカンとしましたが、直後B子は「助けなきゃ!」という言葉を残し、そのまま勢いよくスキーのスティックで勢いをつけ滑って穴に飛び込みました。


お察しの通りB子も穴にハマり、まさにミイラ取りがミイラになってしまいました。


私は仕方なくスティックを差し伸べました。

するとふたり同時に掴まりそうになったので「ひとりずつ!」と釘をさし、まずはA子を引っ張りあげようとしました。


ですが私は非力ちゃん。

どうにもこうにも引っ張りあげられませんでした。



「なにやってんだ、お前ら」



そこで救世主が登場したのです。



「先生! ふたりが落ちちゃって」



呆れ果てた先生の顔を私は今も忘れない。

人は呆れ果てるとこんな顔になるんだなーと思いました。


そして先生の助けもありふたりは無事救出されました。


「大丈夫か? 怪我してないか? 保健室行ってこい」



?!



思わぬ副産物です。

そうか、怪我をしたかもしれない。確かにそうだ。


「わーい、行ってきまーす!」


張り切ってそう言った、その時でした。



「お前は落ちてないよな?」








「はい?」




そして先生は顎をクイッとスキー場に向けました。




私は涙なみだでA子とB子と別れることになりました。

まさに今生の別れとでも言わんばかりのそれはそれは涙の別れでした。



「ごめんね、わの! 私たちだけ」



だけどどっちも「私も残るよ」とは言いませんでした。


ついに私はぼっちひとりになってしまったのです。



続く……

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