スキー教室の悲劇2

私は弁慶の泣き所にテクニカルアタックをくらい続けながら、もうスネのHPは赤ゲージに突入していました。

とにかく痛い。


上級者コースから間一髪逃げてきた私は誰もいない木陰で雪だるまを作って遊んでいました。


するとゾロゾロと同じ部屋ののみんながこちらに向かってきました。


「もう寒いし疲れちゃったし帰りたい」


みんな一様にそう言いました。


「よし! 戻ろう」


私は最後の力を振り絞って瀕死の足を起こしました。

そして全員ゾロゾロと宿泊施設に向かっている……途中の話であります。


目の前に現れたのは……!

教師の群れだ!


普通最初はスラ〇厶あたりの弱っちいのが出てくるのがRPGの常識。

なのに何故だろう、突然ボスが大集結してこちらに向かってきているのは。


勝てない、勝てるわけない。

あ! あれか? 負けイベてきなやつか?


いや、違う騙されてはいけない。

「はいはい、強すぎるしこれ1回〇んでイベントで復活するやつねw」で何度ゲームオーバーになってきた?


これは負けイベなんかじゃねぇ!



「なにやってんだお前ら」


びくり、と肩が上がる。


「えっと……体調が悪くて」


ひとりがそう言うと「私も、私も」と皆あとから続く。



だけどこんな安い手、効くわけ……



「そうか、じゃあ保健室に行っとけ」



?!



なっ?!



帯同している保健の先生の部屋、そうそれが保健室。

なんとあっさりと。物事は難しく考えるから難しいのであって、牙城を崩す糸口は案外簡単なのかもしれないと思いました。


皆一様に驚きとともに口角がゆるりと上がる事を止められなかったですが、バレないように下を向いていました。


「じゃあ行こうか」


私が声をかけた、その瞬間でした。



「いや、お前らはダメだ」







お前……ら?



私とA子とB子。

そう、いつものトリオ。



さすがにそれはないと泣きの抗議をしたが叶わず、バツの悪そうな顔の同部屋の友人を「後で覚えてろよ」の目で見送り私たち3人はスキー場に戻されることとなりました。



しかしここでトラブルが発生したのであります!



続く

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