スキー教室の悲劇1

スキー教室なるものがありました。事前アンケートで今までのスキー経験を答えました。


0回、1~2回、3~5回、6回以上

とかだったと思います。


私は父が海、キャンプ、遊園地、野球、サッカー、山、スキーなどなど、たくさんのところへ連れていってくれる人だったため、スキーは何十回も行ったことがありました。


そこで私はなんの疑問を抱かず、素直に6回以上に丸をつけました。

それが悲劇を生むなんて、その時は思ってもいなかったんです。


さて、スキー教室当日、私たちはスキー場へ向かいました。宿泊施設が併設されていて、私たちはトリオを含め7.8人の部屋を割りあてられました。


部屋に着き、一息つく間もなくスキー場に集合となりました。

ほんとうは寒いし部屋の中でごろごろしていたかったんですが、そうもいきません。


そしてまずレンタルシューズを取りに行きました。そこで私たちは事前に靴のサイズを提出していたんですが、どういうわけか私の靴のサイズが本来よりかなり大きいものが用意されていました。


靴はスキー板に装着できる頑丈なもので、それがパカパカと脱げてしまいそうなサイズで、歩く度にスネの部分がパカパカとその硬い靴の入口部分に当たり痛くてたまりませんでした。

(翌日青アザができていました)


ただでさえ寒くて行きたくない上こんなに痛いとなるともう一歩も歩きたくありません。

私は平坦な道も全てスキー板を装着して滑るように進みました。


そしてここであのアンケートの真の目的を知るのです。


私は上級者コースに振り分けられました。

私はスキーが滑れません。回数行っていると言ってもほぼソリに乗っていただけなんですから。


父と姉と三人でスキーに行った時の話、私は平坦なところで滑っていたことがあります。

姉は4つ上で結構大人なのでひとりでスイスイ滑っています。

父はベンチに横たわりウトウトしていました。


私はいつの間にかベンチから離れてしまいました。


そして気がつくと右足のスキー板が反対側を向いてしまいました。ありえないと思うかもしれませんが子どもで体が柔らかかったこともあり、左足は上を向いているのに右足は下を向いたまま、スキー板が長くて元に戻らなくなってパニックになりました。


すぐに姉に助けを求めましたが「バカw」と言い、姉はそのままスーッと遠くに消えていきました。


そして私は父に助けを求めました。

大きく手を振りますが父はウトウト、ベンチから遠く声も届かずもう一生足がひっくり返ったままなのも覚悟しましたが、その後すぐに目覚めた父に救出されました。


(私の話は基本昔の話なので多少の緩さがある時代でしたのでそこに疑問は抱かないでくださいw)


話は逸れましたが、そんな軽いトラウマつきのスキーができるわけもなく、仲のいい友人たちはトリオを含めみな初級コースで平坦なところでレッスンを受けている中、私は上級者コースに拉致、連行されたのであります。


だけど私はリフトに乗る直前に逃げ出しました。



間一髪、逃げきれた、この時は本気でそう思っていました――。



続く

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