将棋のタイトル戦について語る。
きいろ
第1話 第73期ALSOK杯王将戦について。
明日、1月7日の9時から王将戦七番勝負が始まります。
昨年の10月に八冠を達成した藤井聡太竜王・名人がどこまでタイトル戦の連勝を続けるのか、止めるとしたらそれは誰なのか、注目している方は多いのではないでしょうか。
本稿では、
(1)。対局者2人の情報。
(2)。藤井王将(タイトル戦の際は、肩書きがそのタイトルとなるのが通例です)が防衛するシナリオ。
(3)。挑戦者の菅井八段が奪取するシナリオ。
(4)。(2)と(3)を踏まえた上での筆者の予想。
の4つについて、アマ三段の棋力である筆者が、王将戦を観戦する際に役立つかもしれない情報を、ノリとフィーリングで書いていこうと思います。
(1)。対局者2人の情報。
タイトルホルダーである藤井聡太王将は、デビュー直後の29連勝、一般棋戦優勝や様々なタイトル獲得においての最年少記録、昨年の八冠達成、実力と実績両面で破格の強さを誇る棋士です。
まだ21歳6ヶ月弱の年齢ということで、ここからまだまだ更に強くなることが予想される所が凄いですね。名実ともに彼のライバルとなるような棋士は、いつ現れるのでしょうか。注目したい所です。
対する挑戦者の菅井竜也八段は、タイトル獲得の経験があるA級4期目の31歳のトップ棋士です。藤井王将とは昨年の4月から5月にかけて、第8期叡王戦でタイトル戦の舞台で戦ったことがあり、そちらは3勝1敗で藤井叡王が防衛されました。
2日制のタイトル戦の経験もあり、2017年の第58期王位戦で当時羽生三冠を相手に4勝1敗でタイトル奪取を果たしました。
翌年の防衛戦では、後に竜王名人となる豊島当時棋聖とフルセットの激戦の末に敗れました。ちなみに、この菅井豊島の王位戦は先手番が全勝したことが話題になったシリーズでした。
この2人のタイトル戦は2度目となりますが、持ち時間が8時間の2日制は初めてで、どんな濃密な将棋が観れるのか、注目したいですね。
(2)。藤井王将が防衛するシナリオ。
これまでタイトル戦で全勝している藤井王将が防衛したとしても、それに対して大きな驚きを覚える方はもう少ないかもしれません。19度のタイトル戦を全て乗り越えてきたという実績は、それほどのインパクトがあると思います。
4勝1敗か、4勝2敗で、余裕を持って防衛する展開は十分に有り得るでしょう。
後手番でどのように戦うか、また、菅井八段が得意とする振り飛車相手に、どんな準備をしてきたのかに注目して観戦したいと思います。
(3)。菅井八段が奪取するシナリオ。
1局1局を勝ち切ることが非常に難しい相手ですが、奪取の可能性は決して低くはないと思っています。
個人的な予測としては、第3局までに1勝を上げることが出来れば、タイトル戦の結果は最後の最後まで分からない展開になるのではないかと思っています。
第3局までに1勝と書いていますが、3連敗から4連勝で勝った例は、将棋界において過去に2度(深浦木村の王位戦と、渡辺羽生の竜王戦)あるので、菅井八段のファンの方はきっと最後まで応援されてくださいね(何様なんでしょうか汗)。
注目する点としては、菅井八段がどんな作戦で戦うかだと思っています。
上述の叡王戦では、千日手局を含む6局全てで三間飛車という戦法で戦ったのですが、作戦としては細かい工夫を凝らした上で、真っ向から藤井叡王に立ち向かう格好でした。
その先例を踏まえた上で、今回のシリーズにおいて菅井八段が、どんな作戦を主力として投入するのか、菅井八段は芸幅が広い棋士なので、序盤から目が離せない展開になるのではないかと予想したいと思います。
(4)。(2)と(3)を踏まえた上での筆者の予想。
まず思うことは、期待勝率としては、藤井王将に分があるだろうと思っています。
仮定の話ですが、100局指してみて、その勝数が多い方が勝つというルールなら藤井王将が7割以上は勝つのではと感じます。
でもしかし、期待値は期待値で大事なのですが、1局1局、いわゆる目の前の1において、相手を結果として上回ることが出来れば、そして相手よりも先にそれを4回達成することが出来れば勝つことが出来るというルールです。
そのため、個人的には菅井八段が奪取する可能性は45パーセントはあるだろうと思っています。
それでは、具体的な予想に入っていきたいと思います。
藤井王将が防衛の場合、個人的に1番可能性が高いと思っている星取りは、藤井王将から見て○○○○のストレート防衛です。
そして、菅井八段が奪取する場合、1番可能性が高いと思っている星取りは、菅井八段から見て●○●○○○の4勝2敗での奪取だと思っています。
藤井王将相手に3連勝という結果は、もしかすると現実味がないように感じられるかもしれませんが、僕は振り飛車の秘めたる力と菅井八段の勝負強さがあれば、十分に可能性はあると思っています。
また、これは漠然としたイメージなのですが、シリーズが長引いて長期戦になった場合、どちらが利するかといえば、それは菅井八段なのではないかと思っています。
とは言っても、フルセットになったらもう本当に分からないでしょうし、有利になる気がすると言っても本当に微差だろうなとも思っています。
最後に話がややオカルト寄りの話になってしまいましたが、予想はこれで以上です。
書いた分を読み返してみると、自分が想像以上に挑戦者の菅井八段を知らず知らずのうちに推していたことに驚いたのですが、それはそれとして、シリーズが始まったら意識して中立の視点で観戦することになるのかなと思っています。
書いてみた感想としては、自分の中での王将戦シリーズへの期待感が高まったので、トライしてみて良かったなと思いました。
次も書いてみようと思っていて、その時はデータ面でも考察が出来れば良いなと思っています。
将棋連盟公式のモバイル中継アプリがなくても、毎日新聞の中継サイトから棋譜と解説コメントがあるので、もし良かったら是非楽しまれてください!
ここまで読んでくださって、ありがとうございました!
将棋のタイトル戦について語る。 きいろ @gakuazisai55187
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