第6話 窓口さん、再び
ほんの二日前のことなので、窓口さんは、私のことを覚えていてくれていました。
昨日、店長が連絡を入れたのか、窓口さんとの電話の後、社員が馬鹿な電話対応をしたことも知っており、その件についても詫びられました。
で、今、店長からあった話を伝えると、ちょっと絶句していました。
「……本当ですか?
いや、そんなことは無いです。
どこの店舗であろうと、そこで起こった不手際により、お客様に迷惑を掛けたのであれば、それは、本社の責任です」
……だよね。だよね。
普通、そうだよね。
安堵しました。
私としては、書面に残すなら、本社は関知しないという対応は、まるで、こっちを輩扱いしているようで、本当に不愉快でした。
ただ買い物しただけなのに、窃盗犯扱いされ、その次は輩扱いかよと……。
「相談窓口」と、今回の担当部署の力関係がどうなっているのか分からないのですが、窓口さんは、経緯を上に伝えると約束してくれました。
心強い。
そして翌日、店長から電話がありました。
担当部署の者と共に、伺いたいと言うことです。
新規参戦のボンクラくんが来るのかと聞いたら、その部署の長が来るとのことでした。
こちらとしては、問題ないので、もちろん了承です。
数時間後、玄関で「この度は、誠に失礼な~」を受け、「とりあえず、詳しい話を」と、招き入れます。
店長と担当部署の上長さん。
新しく参加した上長さん、座る前に「この度は、うちのボンクラが失礼なことを言い、誠に申し訳ありませんでした」と謝罪。
「とりあえず、座って、詳しい話を聞かせてください」と促します。
知りたかったことをストレートに聞きます。
「えーーと、上長さんは、今回の件、本社に責任は?」
「あります。本社の責任です」
即答頂きました。
「じゃあ、どうして、昨日は、あんな返答だったの?」
「実は、わたくし、昨日まで休暇をとっておりまして……」
理由が店長のときと同じで、思わず苦笑い。
で、話を聞くと、上長がいない間、部下のボンクラが独断で今回の指示を出したとのことでした。
上長さんは、全面的に撤回し、謝罪しに来てくれたわけです。
まあ、そういうことでしたら、こちらも和解しますよ。
話の中で、ボンクラさんのことが出たのですが、上長曰く、
「厄介者で、あちこち回されて、今、私の部署で預かっているんです。
定年間近の歳で、下の若い者は、おかしいと思っていても、ちょっと反論できないようなところもありまして……」
なるほど。
まあ、どこも色々と問題を抱えているよなあ……と。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます