第5話 新しいボンクラ参戦


 関わった人物については、店長曰く、

 研修中のレジ係は、電子音が鳴ったことでパニックになり、本来、引き留めてはいけない無関係のお客様を引き留め……。

 サービス・カウンターの人間も、お客様にきちんと謝罪すべきところを教育不足で……。

 社員の言動についても、私の教育不足で、本人も深く反省し……。

 と、謝罪と釈明がありました。


 こちらとしては、腹立ちが収まらないところもありましたが、だからと言って、何をどうるすことも出来ず、直接、何かをした訳でもない店長に怒りをぶつけることも違うなと……。

 店長自身も、誠意ある対応に努めてくれていたということもあります。


 で、落としどころとして、書面で、

 何月何日に何時ごろ、こう言うことがあったと経緯の細かい説明。

 その後、私に対する謝罪文。

 最後に店長の印と本社の印、これで終わりとしましょうと提案しました。

 何だか、甘そうな店長だったので、関わった人物をきちんと叱れるかどうか不安だったこともあります。

 本社を絡めれば、三人に対して、きっちりと指導が入るだろうと考えてのことでした。


 店長は「分かりました」と承諾。

 ややこしいことにならず、ホッとしたという感じでした。


 ……が、翌日、店長から電話があり、力の無い困ったような声で、こう言われました。

 「あの、本社がですね、そういう書面には関われない。

 謝罪文を出すなら、〇〇店の私の名前だけで出せと……」

 「はあ?」

 「申し訳ありません」

 「ちょっと待って、店長。

 〇〇店で起こったことだから、本社は関係ないって言ってんの?

 本社がそう言ってんの?」

 「……はい」

 「……それで店長は、本社の対応が正しいと思ってるの?」

 「……」

 無言。さすがに思っていないようです。

 「本社のどこの部署の誰が言ってるの?」

 ここで、「渉外」「お客様センター」など、何か担当部署の名前を聞きましたが、今はもう失念しています^^;

 後で名刺をもらったので、探せば分かるとは思うのですが、ちょっと面倒なので……。

 で、店長から、どこの部署の誰かを聞き出しました。

 社員に続き、新たなるボンクラが参戦してきた訳です。

 けっこうウンザリ……。


 とりあえず、店長には、

 「おかしいと思うなら、ボンクラさんを飛び越えて、上司に掛け合ってみたら?

 昨日、話して和解したと思ったけど、こういう対応するなら、おれは、一切、引くつもりは無いからね。

 じゃあ、また」

 

 私はとりあえず、以前掛けた相談窓口に電話をし、窓口さんを呼んでもらいました。

 この相談窓口も、本社なんだけどね。

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