第3話 ポンコツからの電話
相談窓口に出てきたのは、Kと名乗る人物。
この人は、納得できる対応をしてくださった方だったので、今でも名前を憶えています。
でも、ややこくしなるので「窓口さん」とします。
男性。声からして40代ぐらいかな。
まず、昨日あったことを説明。
窓口さんの責任ではないので、声のトーンは押さえて説明し、その後で、
「レジは防犯カメラで撮影されていると思うのですが、私の説明がウソでないことを防犯カメラの映像で確認してください」
「不愉快な思いをさせて、申し訳ありませんでした」
窓口さんは、平謝りです。
このとき、窓口さんとの会話の中で、そもそも、なぜ1番の電子音が鳴ったのかという話になりました。
おそらく、私の前の客が、支払いをせずに商品を持ち去り、一定の時間が経過したため、電子音が鳴り始めたのではないかという返答でした。
「前の客は、たしか髪の長い女性でしたよ。
あの人が万引きをしたってことですかね?」
「その件についても、調査の後、報告させていただきます。
これから、〇〇店(買い物をした店舗)に確認を取ります。
その後、店舗から改めて、お客様に電話を差し上げてもよろしいでしょうか?」とのことだったので、私の携帯電話の番号を教えて了承しました。
窓口さんの対応が丁寧だったため、このまま店舗からの説明と謝罪を受けて、一件落着だと思っていたら、10分後ぐらいに電話がかかってきました。
……早ない?
嫌な予感と共に通話ボタンを押すと、ポンコツから電話がかかってきました。
後でわかったのですが、電話を掛けてきたのは〇〇店の社員です。
店長。社員。パートやアルバイトの方々。
と言うのが、そのスーパーの人員体制のようでした。
細かく覚えている訳ではありませんが、電話を掛けてきた社員は、こんな感じでした。
「〇〇店です。七倉(仮名)さんの携帯で間違いないでしょうか」
「はい」
「昨日は、レジでお待たせしたようで、あの、すいませんでしたー」
「で?」
「え? ……今度から、お待たせしないようにします」
「はあ?」
「え?」
「あんた、一体、何を聞いて、電話をしてきたの?」
「レジで、長い時間、お待たせして、お客様が怒っていると……」
「……その原因わい?」
このあたりから、関西弁に戻っていったと思います。
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