第40話 死者の森

 ある国に、「死者の森」と呼ばれる禁忌の森が広がっていました。人々はその森に近づくことを避け、夜になると幽霊たちの影が森の深奥から現れると言われていました。ある勇敢な冒険者、リチャードはその森に挑むことを決意しました。


月明かりに照らされた夜、リチャードは死者の森の入口に立ちました。森の中に進むと、不気味な音が耳に入り、木々の間からは幽霊のような光が漏れてきました。進むにつれ、その光が増していき、やがて広場のような場所にたどり着きました。


その広場には幽霊たちが集まり、哀れな魂たちが悲しげな歌を歌っていました。彼らは生前の悲劇や未解決の怨みを背負っており、その魂の苦しみが森に宿っているのだとリチャードは感じました。


森の奥深くに進むと、リチャードは死者の王の座がありました。死者の王は冷たい目で彼を見つめ、深い声で囁きました。「人間よ、なぜ私たちの領域に来た?」


リチャードは優しく答えました。「私はあなたたちの苦しみを理解し、和解を望んでいます。」


死者の王はうなずき、その座から立ち上がりました。彼の手には古びた冠があり、王の悲劇が明らかになりました。死者の森はかつてこの国で繰り広げられた戦争や悲劇の舞台であり、彼らの魂は平和を求めていたのです。


リチャードは死者の王と共に、その森に平和をもたらす使命を果たしました。以後、死者の森は不気味な場所ではなくなり、幽霊たちは安らかな眠りにつくことができました。そして、リチャードの勇気ある行動は国中に広がり、彼は「死者の森の解放者」として称えられるようになりました。







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