中世ヨーロッパの怖い話

第41話 呪われた修道院2

　荒野にたたずむ一軒の修道院がありました。この修道院は神聖な場所とされていたが、ある冷たい霧の立ちこめる夜、修道士たちの中で不気味な噂が広まりました。

修道院の庭にはひときわ大きな古井戸があり、そこからは幽霊めいた声が漏れていると言われていました。噂によれば、この修道院はかつて異端者たちを処刑するための場所として使われ、その冷酷な歴史が呪いとなって修道院を包み込んでいると噂されていた。

ある勇敢な冒険者、エレーナはこの呪われた修道院に興味を抱き、その秘密を解き明かすことを決意しました。夜が更け、エレーナは修道院の門をくぐり、静寂な庭を歩みました。

修道院の中に足を踏み入れると、奇妙な音が聞こえ、幽霊のような影が部屋の隅々に踊っていました。エレーナは修道院の歴史を調査するうち、処刑台や拷問部屋の跡が残されていることを発見しました。

やがてエレーナは修道院の地下に辿り着き、大きな古井戸が目の前に広がりました。井戸からは怨嗟の声が響き、エレーナは井戸の底に何かが封じられていることを悟りました。

決意を固めたエレーナは古井戸の中に向かって祈りを捧げ、呪いを解く鍵となる言葉を唱えました。すると、井戸から冷たい霧が立ち昇り、修道院全体に安らかな光が戻りました。

修道院の呪いが解け、エレーナの勇気ある行動によってこの場所は再び神聖な場となりました。エレーナは修道院の中で眠る異端者たちの魂に平和をもたらし、彼らを安らかな眠りに誘いました。修道院は再び神聖な場として町人たちに受け入れられ、中世の冷たい霧が晴れ去りました。