第27話 幽霊船の呪い

 その港町には、幽霊船の伝説が囁かれていた。夜明け前、霧の立ち込める海上に現れる幽霊船が、その存在だけで村人たちに恐怖を与えた。


ある晩、若者のアルノーは仲間たちとともに船出し、その幽霊船の謎を解明しようと決意した。船は霧に包まれ、陰鬱な雰囲気に満ちていた。アルノーは仲間たちと共に進んでいくうち、彼らは不気味な歌声が風に乗って聞こえてくるのに気づいた。


進む先には、幽霊船が無数の幽霊たちに取り囲まれ、歌い踊る様子が広がっていた。彼らの歌は悲劇的な出来事を歌っていたが、その歌声は美しく、聞く者を引き込んでしまうほどだった。


アルノーたちは幽霊たちの歌に魅了され、ついには船に招かれるようになってしまった。彼らは船に乗り込むと、幽霊たちは彼らに歌い続け、その歌に合わせて舞踏を始めた。だが、歌と踊りの背後には深い悲しみと絶望が隠れていることに気づく者はいなかった。


夜が明け、霧が晴れると、アルノーたちは自分たちが幽霊船の中にいたことに気づいた。彼らは村に戻りたくても戻ることができず、永遠に幽霊船の中で歌い続けなければならない運命に縛られてしまった。


以後、幽霊船は毎晩、海上に浮かび、新たな冒険者たちを呼び込むかのように歌い続けていた。港町の人々は幽霊船を目にすることなく、その呪いから逃れることはできなかった。


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