1日目④

映像を見た限りゴブリンなら一般の成人男性なら問題なく倒せそうだ。

大地は立ち上がる。

そして今度は着替え始めた。

黒いパーカーにジーンズのシンプルな格好だ。

背中には食料メインの防災グッズが入ったリュックを背負っている。


ダンジョン内は時間経過と老化スピードが地上の1/3だと知った時から決めていた。

これから3年間は可能な限りダンジョン内で猫達と過ごすのだ。

その為にまずは猫達を守れる強さを手に入れなければならない。


「少し出かけてくるからいい子にしててね。」


猫達に話しかける。

そして猫達の姿を目に焼き付ける。


「行ってきます。」


ガチャ


アパートの部屋から外に出る。

外には深夜であるにも関わらずチラホラと人の姿が見られる。

この様な現象が起きれば気になるのも当然だろう。


大地はアパートから徒歩で10分程の距離にある自然公園を目指す。

何となくZの投稿を見た感じ公園などの公共の場にダンジョンが発生している場合が多い気がしたからだ。


暫く歩くと目当ての公園が見えて来た。

ぱっと見ではダンジョンは見当たらないので、公園内の散歩コースの方に向かう。

深夜なのでかなり怖い。

歩いて1分もしない内にダンジョンは見つかった。

散歩コースの脇の雑木林の中だ。

大地は迷いなくダンジョン内に侵入した。


ダンジョン内はZの投稿で見たものと全く一緒の構造をしていた。

スマホで時間を確認する。

時刻は深夜2時40分だ。

白い霧の中に入る。


一瞬空気が変わる感覚があった。

台座の方に向かう。

台座の上には鉄で出来た短剣とバックラー、それに指輪が置いてある。

鑑定を使用する。


鉄のショートソード

…鉄で出来た一般的なショートソード


鉄のバックラー

…鉄で出来た一般的なバックラー


収納リング(0/10)

…アイテムを10個まで収納できる魔道具。


取り敢えず、スマホとリュックを収納しておく。

右手に短剣、左手にバックラーを持ち戦闘を想定した動きで5分ほど体を慣らす。


収納リング(2/10)


「よしっ、行くか。」


大地はZの投稿者と同じ真っ直ぐのルートを進む。

するとゴブリンがこちらに向かって走って来るのが見えた。


『ギ、ギッ』


大地は冷静にゴブリンを引きつける。

ゴブリンが棍棒を振り上げるのと同時にゴブリンの後ろに回り込み、短剣を喉に突き刺す。


ザクッ


ゴブリンは断末魔も無く煙に代わった。

残されたのは木で出来た棍棒だ。

武器にするのには頼りなく、木材としての利用がメインになりそうだ。

死体や血が残っていない為か、不思議と生き物を殺した事に対する嫌悪感は感じない。


ステータスを確認する。


名前:猫塚大地

種族:人間

性別:♂

クラス:『獣使い』

レベル:1(1/10)

MP:100/100

筋力:11(1)

魔力:10

耐久:11(1)

敏捷:11(1)

持久力:11(1)

スキル:『ステータス閲覧』、『テイム(獣)』、『意思疎通(獣)』、『鑑定Lv1』、『身体強化Lv1』

SPなし


どうやら後9回程ゴブリンを倒せばレベルアップする事ができる様だ。


引き継ぎ通路を進む。
















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