17位・「敗戦後論」加藤典洋
僕が持っている本の帯には以下のように記載がある。
「ここで辿られているのは、もしわたしが戦後の問題を考えるとしたら、どういう順序になるか、ということではないかと思っている。……オレは知らないヨ、という無関心を起点に、戦後と戦後責任について考えるとしたら、その順序はこうなる。そういうことをわたしは、ここに、政治と文学と、二つの方向から、二つの論の形で、書いてみたつもりである。」
加藤典洋は戦後の問題を「オレは知らないヨ、という無関心」をも肯定したところから論を出発している。真面目な人からすると、とんでもないと言われそうな部分ではあるけれど、戦後と言われてもと躊躇してしまうゆとり世代の僕からすると、有難い切り口だった。
「オレは知らないヨ、という無関心」を許してくれるからこそ、戦後を冷静に見て自分事に引き取れる人もいるだろう。僕がそうできるかはまた別の話になるけれど。
加藤典洋の文学に関する文章は昔、少し読んで好きだった。「敗戦後論」の文学論、とくに「太宰VSJ・D・サリンジャー」の箇所は頷きながら面白く読んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます