18位・「堅実性」グレッグ・イーガン/山岸真訳
SFマガジン2023年12月号に掲載されたグレッグ・イーガンの新作中編小説。
東浩紀が配信で言及していたため、気になって読んでみた。
あらすじは「シドニーに住むオマールはあるとき、一瞬にして周囲のあらゆる人が見知らぬ人に入れ変わったのに気づく。じつはその現象(?)は無限の数のパラレルワールドの全人類に起こっていた。世界自体はほとんど変わっていないように見えるのに」というもの。
主人公のオマールは十三歳の少年。更に見知らぬ人に入れ替わる現象は個々人にバラバラに際限なく続いている。
この入れ替わりの法則性を探し、二人の間であれば入れ替わりが起きないルールを発見する。オマールの横にいるのは、父と入れ替わったラフィーク。
彼らは実験を重ね、入れ替わりが起こらない方法を模索するが、それはつまり自分が元いた世界には戻れないことを意味する。
などと書き連ねて伝わっているか自信がないけれど、読めば分かる。面白い上に文章が良い。グレッグ・イーガンを今まで読んでこなかった後悔したので、来年は色々読んでいきたい。
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