25位・「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」(映画)

 ジョジョをあまり知らない。

 原作の漫画を生きている間にすべて読むことはない気がしている。

 ただ、ドラマでやっていた「岸辺露伴は動かない」は最高に良かった。僕がジョジョという漫画に対して感じている違和感を上手くそぎ落としてくれている。


 本作のあらすじは「漫画家の岸辺露伴は、若い頃、思いを寄せた女性からこの世で最も黒い絵の噂を聞く。新作執筆中に、噂の絵がルーヴル美術館に所蔵されていると知った彼は、取材に赴く。しかし職員は絵の存在を知らず、データベースで見つかったのは使用されていない倉庫で……」というもの。


 まず、「この世で最も黒い絵」というギミックが良い。岸辺露伴の過去の舞台は旅館でいかにも日本的な景色と空気感で、現代に戻るとルーヴル美術館のあるパリという異国の街。

 この普段なら交わらない二つを並べるところに本作の良さがある。

 あと、編集者の役泉京香のエピソードもさりげなく語られていて、岸辺露伴だけにフォーカスしないことで立体的な物語になっていた。

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