26位・「渋沢栄一 上 算盤篇、下 論語篇」鹿島茂

 新一万円札の肖像として「渋沢栄一」がデザインされると発表されたのこともあって読んだ。去年の冬ごろから読み始めて、今年の夏までかかった。


 フランス文学者、鹿島茂による渋沢栄一の評伝。「評論をまじえた伝記」である評伝を僕はあまり読んでこなかったけれど、面白かった。フランス文学と歴史に詳しい鹿島茂だからこそ、渋沢栄一がパリで出会った「サン=シモン主義」とは何なのかが詳細に書かれていてよかった。


 この「サン=シモン主義」との出会いによって渋沢栄一がどう変わり、人生を賭けて何を目指したのか。それを追える贅沢がこの上下巻の本にはあった。厚い本二冊分だけれど、一読の価値は絶対ある。

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