第4話 魔の真相

 正月は神社へ行き、葬式は、お寺で。クリスマスを祝い、結婚式は教会がいいな。

 そんな僕は、信仰などは、していない。だから、零式さんが悪魔がどうのと言っても、ピンとこない。ゲームやアニメの世界の話しのように思えた。


「零式さん、悪魔と言うのは、ガーゴイルとかですか?」


「あははははは! うけるんですけど!」


 緊張して、張り詰めていた空気が笑い声でかき消される。零式さんは、僕の肩を二回叩いて、うけて喜んだ。


「そんな、モンスターみたいなデビルが飛び回っていたら、世間は、パニックだろう」


「では、どんなのです?」


「まず、目には、見えないな。狙われるのは、人間の心だな」


 零式さんは、魔が人間の心に取り付いて、不幸な出来事を起こすと説明してくれた。そういえば、笑顔戦記second editionにもナイフを持った男が出ていたな。実際にナイフで刺される事件は、多いが……。


 ナイフ男が零式さんに出会うと改心するとか? まさかな。


「あと、天界の頃に位の高かった堕天使、地獄で魔王クラスと言われる奴だ。それによって時空が閉じ込められている。そいつ達の最終目的は、核大魔王の力を使う事だ。死の灰で人間を地上から消し去ろうとしている」


 考え込んでいる僕に、更なる理解に苦しむ事を語った零式さん。


「君は、同じ様な事件や事故が何度も起こっていると思わないか?」


「そうですね。言われてみると」


 時空が閉じ込められていると言っても、アニメや映画のように何度も時間が戻る訳ではない。川は絶えず流れるが、元の水では無い。もし、失ったら戻らない……。

 好きな女性が小悪魔なんだよ。そんな冗談話のオチが良かったと、僕は思っていた。



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