第14話 審判が下る日(復職判定会議)
その日、いつものように訓練のために出社したけれど、夕方どんな顔をして帰ってくるのか全く予想もできないような気分で家を出た。
この日、職場長と産業医、そして私の三者面談にて復職ができるかどうかが決まる。
この1か月、いろいろと面談も繰り返し、その都度なんとか乗り越えてきたわけだけれども、やはり「業務」に就いていない「休職中」ということにはかわらなかったから。
すでに主治医からの「復職可能」という診断書は先に提出しており、リワーク担当の院長先生からの意見書も間に合ったので、当日持参することに。
これまでの出勤訓練の様子、それに伴う変化などを産業医の先生と話をしていく。
内容的には前回の産業医面談とほぼ同じであって、職場と私の双方に、産業医としての総合的見地からの労働条件が伝えられる。
概ね15分程度の短い面談で、産業医の先生からの言葉は、「これまで言ってきたように、無理は決してしないで。ですが、業務に復帰することで責任も生じてきますけれど、少しずつ戻ってきてください。これで復職に向けた面談は終了です」だった。
この一言で、私の就労復帰が決まった。私個人の情報ではあるが、これまでお世話になった方への連絡、情報公開について問題ないかも確認して了承をもらった。
その日は、職場としても最大の使命が終わったわけで、用事がなければ帰宅して休むように告げられた。
この日をもって、私の「表面上の療養期間」は終わりを迎えたのだった。
(あっけなく感じたのは、以前話したように私はまだ「病気休暇」だったことからこれで済んだ。「病気休職発令」が出てしまうと、これが人事に回り、復職発令(いわゆる辞令)というものを待たねばならないので、ここまでスムーズに流れたかは分からない)
その日は、帰りながら職場への土産や、必要な品物を買って午後の時間を過ごした。
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