あなたと彼女
うーん?
パクり方?
あー。
展開をパクるのではないんだよね。
「感動」をパクるんだよ。
うん。
あー。
はあ。
ピンと来ないのか。
お前、本好きでないな?
あのさ。
ネット好きと本好きはランクが違うんだけど。
紙の本、インターネット、TVだよ。
紙の本を、あんまし知らない?
えーと。
物書き目指すの、やめてくれないかな。お兄ちゃん。
+
夏目漱石の文学論か。
あー。これな。
イギリス名作集だと思えば、なかなか。
うん。
あー。
翻訳文だけ読め。
イギリス名作抜粋集なんだ。
綺麗なんだ。どの翻訳も。
まあ、旧来の文学だけど。
これに追い付いてないんだよなー。日本文学。
イギリス強え。
+
あー。
ふーん。
シェイクスピアの「ソネット」は読んだか?
うん。
いやー。
はあ。
うーん。
ふーん。
はあ。
いやー。
シェイクスピアは最高ブランドだぞ?
あのシェイクスピアの書いた詩集。興味はないのかな。
+
ふーん。
あー。
うーん。
あー。
ご遠慮ゲームだ。
理由をつけて断ってくれ。
フライドチキン。
「鶏は聖なる生き物なんです」
ふん。
お前の番だ。
「パチンコ」
あー。
確率とか良く分からなくて。
うん。
あー。
カフェオレ。
「あの色を画布に再現出来ないのが悔しいんです」
いや、飲めよ。
どぞ。
「ギャルゲ」
あー。
うーん。
私、女なので。
結構やってるけどね。
うーん。
新聞3ヶ月。
「それはガチでお断りしたいな」
うん。
「あなたの所と別の球団のファンでして」
ピンポイントにしやがったな。
まあ、禁止はしてないけど。
どうぞ。
「抱き枕」
はあ。
あー。
臥薪嘗胆を心がけているんです。
「いい心構えよ」
どうも。鬼ヶ島先輩。
あー。
うーん。
クロスワードパズル。
「帰国子女なの」
なら仕方ないな。
あー。
先輩の番です。
「太宰治」
う。
全作品読破しちゃいましたので。
あっはっは。
ガチです。
+
フラグゲームだ。
死んでもらいます。
「この子が大きくなるまでに、何が起きるかしらね」
うーん。
微差で生き残りそうだな。
6点。
「む」
私だな。
えーと。
貴様は流派の面汚しだ。
「あ、死にそう。9点」
うん。
親友なんです。2個上の先輩と。
+
あー。
鬼ヶ島先輩ほどの人が、どうしてわなびに?
「退屈なの。最近の本って」
はあ。
「インターネットに押されてるのよ。ツブヤイター見てがっかり」
ふーん。
「小説指南小説ってない?」
いやー。
私は漫画が本命だしな。
「まあね」
あなたもかい。
「漫画は好き? 小説家? 作品こかしてばっかり」
うーん。
信頼がなくなったんだな。
「漫画は仕方ないわ。週刊もしくは月刊だから」
ですねー。
小説はちょっとな。
「うーん。困るのよ」
まあね。
作者に死ねと言うわけにも。
「うーん」
本当にね。
どうしましょうね。
うーん。
どういうエンディングがハッピーエンディングなんだ。
「と言うか」
そうなんですよ。
ハッピーエンディング? これ――
「微妙な続編フラグ」
はい。それ。
あー。
私たちは本当は、どういうエンディングが見たいんでしょう。
「まったくね」
うん。これなんですよ。
あーあ。
うん。
いやー。
同じわなびでも、こうも違うのか。
やっぱり元文芸部部長。
「私、強過ぎるから、あえて降りたの。鶴賀を指名して」
はあ。
寺子屋遊戯読みました?
「読んだ。最悪」
ねー。
「あの子、あんなに強かったの? 最強やんけ」
はい。
どうしようも。
「うーん」
まったく。
いやー。
私が部長やってたらヤバかったですね。
「うん。別の子を指名した。鶴賀が」
助かった。
部長なんて、やりたくなっしー。
「百ヶ瀬、何してるかな」
本当ですね。
2児の母か。
「鈴太郎くんが引き離されたって噂知ってる?」
あー。
そりゃ、そういう噂立つでしょうよ。
「クールね」
うーん。
この鬼ヶ島先輩、化け物なんだよな。
【ナンプレ】。
38桁までのパスワードが分かる能力。
私とコンボするためにあるような能力だ。私の方が後輩だけど。
「うーん」
うーん。
何を書きたいですか。
「あー」
はい。
「やっぱり欲があるのよ。私を見せつけたい」
ですか。
うん。
見せつけたいか。
いやー。
読む義務ないし。
「なのよね。賞賛って浴びたことないの。私」
はあ。
「褒められるって、どういう気持ちなのかしら」
ふーん。
はあ。
先輩は優秀ですけど。
「知ってる」
うーん。
傲慢なような。
「サプライズが欲しいのよね」
はあ。
あー。
会長と何かロマンスあったりしました?
「いやー。私は卒業しちゃったし。後で真相を知って地獄」
はい。
惜しい人を亡くしました。会長……。
「あの元帥」
本当にね。
顔も名前も知らないけど。
鶴賀先輩に始末されたのか。
「あのね。首相の離党届も――」
鬼か!
いや。
あの人、どんな人脈があるんだ。
うわーい。
そうかい。
一国の元首まで。
「いや。無理よ。【深淵を覗く契約者】。サインとハンコをコピーして偽造する能力」
なんです。
岬先輩の馬鹿。
あんな場末に真相をひょこっと書くな。
目立たせたくないから、コメント誰も出来ないんですよ。
どうしろと。
何かの駆け引きなのかな。
「いやー。ないと思う」
なのか。
「3年だった私から見れば、かなりの天然だよ。岬」
はあ。
「だから、アイツ嫌」
そうですか。
接点もないですしね。
「うん」
あー。結婚か。
私はどうでもいいけど。
極上の美女が生涯独身とか。
泣きたい。
「いやー。虚しい。私がワクチンで殺されなかったの、冬林くんのおかげ」
はい。
「ヒロインなんだよ。私たち全員」
本当に。
あの人のお嫁さん以外嫌。
でも、死んじゃった。
鶴賀先輩は関ヶ原ケンタ先輩が好きだったって。
あーあ。
野球部め。
+
あー。
うーん。
はあ。
うーん。
お前、また来たのか。
せっかく友達と会ってたのに。
帰っちゃった。鬼ヶ島先輩。
まったく。
紹介なんかしねえよ。
この阿呆。
はあ。
読んでくれってのか。百合小説を。
女に?
えーと。
+
あのさあ。
えーとさあ。
うーんとさあ。
あー。
兄妹で、こんなに性格が違うのは何か変だな。
あー。
うーんと。
養子だったりしない?
うん。
えーと。
実はこの子、実の妹だと思うな。
兄貴な。
うん。
義妹の姉貴なんか微妙。
義妹と、くっつきたいのではないかな。
うん。
目を輝かせるな。
【ピックポケット】。
まったく。
【ナンプレ】のウィル=クリスタルは売ってくれなかった。
世界が滅びる。
+
だからさ。
読者に先の展開を読まれたのに、あえて書くなよ。
はあ。
いやー。
これでデビュー?
いやあのさ。
えーとさ。
お前さ。
誰得なの。
うん。
これだな。わなびの作品に言いたいことは。
あのさ。うん。
無双はな。「手段」なんだ。
ハーレム作るための。
いつの間にか、すり替わってる。
無双出来なくてもいいから、ハーレム寄越せ。どっちが大事かと言ったら、ハーレムなんだよ。
チート無双か。Web小説にしかない。
ハーレムはエロゲにある。
だから、ハーレムの方が上だ。
あー。
いや。
この論法撤回。
ハーレムは難易度が高い。
無双は誰でも書ける。
な?
分かるよな? 流石に。
うん。
あー。
男に婚約破棄を書かせては駄目だった。
そうだな。
男が女の真似をするな。
あー。
だったら誰の真似をすればいいんだろう。ね、お兄ちゃん。
あー。
うーん。
あのさ。
アイディアが止まらないとか何言ってるんだ。
いいけどな。紙の原稿用紙の時代は終わったし。
電気代かあ。
パソコンかあ。
これだろうな。
月々の電気代なんて、皆、意識しないし。
そうか。
ネットも固定料金だしな。今の時代。
ふぅ。
そうか。
お手頃な趣味なのか。執筆が。
だからさー。
主役交代させるなよ。
あのさー。
1巻で悪役にした、お相手様のラブコメなんて誰が読みたいんだよ。
義妹への劣情を書くな。婚約破棄物は女性向けなんだ。
あのさ。
うーん。
いやー。
うーん。
どうしような。
あーあ。
どうしよう。
はあ。
おい。
ここ、ペックリックがペドリックになってるぞ。
そうか。
いや。他にミスがないかは、検索と置換使えよ。
1ページから見直し始めるな。
おい。
たかがワープロソフトも、使いこなせないのか。お兄ちゃん。
+
あのさ。
うーんと。
あくまで主人公は、ウキャペーヌ様でいいんだよな?
この馬鹿のペックリック、最終的に死ぬんだよな?
おい。
「え」って何だ。
おい。悪魔を呼び出すな。
ペックリックにスキルを与えるな。
生き残らせる気満々じゃねーか。
あのさ。
義妹が「お兄様……」じゃねえんだよ。
貴族なら「兄上」だと思うな。
あー。
そうですか。
萌えの方が大切ですか。
だから、婚約破棄物は、女しか読まねえつってるだろ。お兄ちゃん。
+
あ。
大切なことに気付いた。
お前さ。
キャラの外見描写してないな。
はあ。
いや。そうか。
もうデビューしてイラストがついた気でいるのか。
お前さあ。
あー。
まあ、いいけどな。
少年よ。大志を抱け。
まあ、百合小説書きたいなんて。
はーあ。
あー。
いやー。
エロは谷崎潤一郎でいいと思うんだよなあ。
未読。
あー。
あのさ。
私が何が言いたいかと言うと。
年齢も明記されてない。
この男爵、何歳だよ。
何か32歳くらいに見えて来た。
「はあ」じゃねえんだよ。お兄ちゃん。
ウキャペーヌ様は何歳だ。28歳とか言わないだろうな。
女読者に殺されるぞ。
あと名前も感情移入しやすい名前にしろよ。
ったく。
ウキャペーヌが私の分身とか、泣きそうなんだが。
義妹は良く書けてる。
本当に良く書けてる。
歴戦のエロゲーマーというのは、嘘ではないらしいな。
あのな。
褒めてないんだ。お兄ちゃん。
15歳くらいに見える。
目を輝かせるな。お兄ちゃん。
28歳の女が15歳に逆転するとかねーよ。
てか、当時13歳なら妹が養子に出されたこと知ってるよ。
どうするんだよ。矛盾してるよ。
はあ。
あー?
はあ。
あのさ。
うん。
そうかい。
28歳独身の悲哀の心情描写を、これでもかと書くのか。
あのさ。
中世なんだよな。
24歳になったら、女に人権ない気がするんだけど。
それを28?
あのさ。
何でキャラの年齢なんて1番大切な情報が、3巻でようやくなんだよ?
あのさ。ど素人のお兄ちゃん。
お前に商業は無理だ。
何かネタタイトル考えろと言うか。
28歳のこのわたくしが15歳の小娘に負けるだなんて。
うん。
タイトル変えろ。
この手しかない。
おい。
ようやく売り物になるわけないと気付いたか。
そうか。最高傑作か。
そうだな。
私もお前みたいな人、初めて見た。お兄ちゃん。
+
ほーう。
15歳同士にしてみる。
双子は不吉だ。
なるほど。
養子に出された設定に説得力あるな。
いや。
ヨーロッパに双子が不吉という迷信はない。
カストル・ポルックスって知ってるかな。
はあ。
和風婚約破棄?
あのさ。
日本に貴族はいない。
華族?
いつの話だ。
あのさ。
うん。
日本は侍の国なんだけど。
家を侮辱された?
10代先まで戦争の気がするんだが。
あー。
うーん。
そうかい。
やっぱり百合に戻るのか。
へえ。
ふーん。
双子か。
あー。
出会った瞬間に分からないとおかしいな。
鏡くらいあるだろう? 中世でも。
うん。いい子だ。お兄ちゃん。
はあ。
あー。
なるほど。
お相手の青年男爵、初めて妹が義妹だと気付くのか。
へえ。それで?
うん。
やっぱり駄目だ。同じ顔なら妹の方がいい。まさか血が繋がっていなかったなんて!
ほう。
あー。
面白くなったな。
ああ。
ショートショートになったじゃないか。
あのな。
ハーレム作家たちに一言言いたい。
ヨーロッパって「キリスト教」なんだよな。
うん。
後は何も言わないよ。お兄ちゃん。
+
あー。
暗黙の了解で「キリスト教風宗教」という意味だぞ。お兄ちゃん。
あ。帰るのかい。
そうだね。
うん。
あー。
イスラムに移住するの?
あー。
中世なんだけど。
てか、貴族に長旅する体力ある?
あーあ。
帰っちゃった。
「やっほ」
あ。鬼ヶ島先輩。何。
「【ミラクル糸電話】のクリスタル」
あうち!
百ヶ瀬先輩かい。
「痛快だったわ」
どうも。
うーん。
いやー。しかし。
小説のネタにはならないでしょう?
+
うん。
結論は出たな。
ハーレムを作りたいのなら。一夫多妻を認めている宗教を出す必要がある。
でないとアウトだ。
うん。
ふーん。
宗教を作るか。
あー。神か。
作家によってはラスボスにしそうだな。
あー。
うん。
イギリスか。
あー。
十字軍って、どこだっけ?
あー。
ローマ教皇が主導したのか。
イギリスが参加してたかどうかは、ちょっと分からんな。
あー。
「十字軍 イギリス」で調べればいいのか。
こういうのを「機転」って言うんだよ。お兄ちゃん。
そうだな。
私は小説では「機転」を読みたいんだよな。
活字では賢いキャラを読みたいんだ。
あー。
調べたけど分かんなかった。
あーあ。
うん。
これは別に、私が「頭が悪い」ってことではない。
インターネットの全情報なんか、知るわけないし。
過去に調べたこともないし。
うん。
未来予知だよ。分かったら。
うん。
「予言」が出来ないことを無能とは言わない。
当たり前だな。
うん。
あー。
ふーん。
いやー。
はあ。
ふーん。
あー。
うん。
いやー。
そうなんだよな。
うん。
主役はな。
情報を持っていない人物がいいな。
うん。
別に。
失敗しても「無能」ではない。
賢いキャラを書きたい?
駄目だよ。主役は「弱く」しろ。
なんだよな。
強いキャラを書きたいと思ってるから、わなびは抜けてるんだよ。
ね? お兄ちゃん。
苦戦が読みたいでしょう? 商業はそれでしょう?
後なー。
バトルを「会話」だと思ってやがる。
安臭い正義で、相手を論破すれば勝ちだと思ってやがる。
いやー?
バトルって物理ですけど。
しゃべるな。
そうだね。
漫画の悪い所を見習うな。
バトルでは、しゃべらせるな。
うん。
素人は、このくらいから始めてみるといいんじゃないかな。
ね? お兄ちゃん。
うん。
ぺらぺらしゃべる男は「ダサい」。
結婚? 勘弁して。
私はお兄ちゃんと、ずーっと一緒だよ。ね? お兄ちゃん。
+
はーあ。百合か。
これも宗教で禁止だと思うんだけどな。
うん。
困るな。アジア人。
西洋世界が書けてない。
まあ、ナーロッパでいいんだけどさ。
ふーん。
売れてるの?
問題はそこ。
少なくとも私は買う気しないんだけど。
あー。
どうしようかな。
うーん。
あー。
うーん。
はあ。
いやー。
うーん。
んー。
いやー。
あーあ。
うーん。
どこかに面白い本はないだろうか。
あーあ。
昔の漫画家さんたちは頑張ってたなあ。
インターネットよ。お前は大好きだけど、何てことをしてくれたんだ。
ね。お兄ちゃん。
LONE CRY アレクラルク=ネレイア=CMC @alecralk_n_cmc
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます