第1話
「おい、啓信!お前またそんな怪しいバイトやってるのかよ」
「涼太。お前もやってみろよ。今回のバイトなんて1週間ただベッドの上で寝て、1日に1回錠剤飲むだけで20万だったんだぜ。」
「それ大丈夫かよ。もちろんそれが何の薬かとかは教えてもらえるんだよな。」
「当たり前だろ。流石に何も説明なしで薬を飲むのはこえーよ。今回はなんか睡眠効率何上がる錠剤だったぜ。最近ショートスリーパーってやつ流行ってるじゃん?今回の錠剤を飲むと通常の3倍睡眠をとったのと同じ効果が生まれるらしいぜ。よく偉い人が人間は9時間睡眠が大切とかよくいうじゃん。でもこの薬を飲めば実際は3時間睡眠で9時間睡眠をとった時と同じって訳だ。」
「なにそれ。めちゃくちゃ胡散臭いんだけど。それで治験の方はどうだったんだよ」
「いや、それがまじすげぇんだよ。俺も初めは半信半疑だったんだけどさ、薬を飲んでから3時間後アラームをかけて寝たんだよ。そしてアラームがなって実際に起きたんだよ。そしたらさ、めちゃめちゃ寝起きの調子がいいの。その後1日起きてたんだけど、全く眠くならないのよ。」
「本当かぁ。それがほんとだったらめちゃくちゃ時間を有効活用できるじゃん。毎日今より6時間も多く勉強できるじゃん。」
「お前は本当に真面目すぎるんだよ。本気で今年中に司法試験受かるつもりでいるんだな。」
「当たり前だよ。お前はもう少し真剣に勉強しろ。このままだと司法試験はおろか、大学の授業ですら落単するぞ。」
「ひえー、それは言わんといて。まじで現実になりそうだから。」
このような会話をするのはもう何回目だろう。涼太と会うたびに同じような会話をしている気がする。
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