第5話

俺は、タピワ町の中心部へと戻った。

どうやら、噂は広まっていないようだ。

一応、俺のスキルは多分やばいやつなので、バレたら困る。

だから、ひとまずこの街から出ることにしよう。

さっきガイドに聞くと、俺が今いるタピワ町がある国は「ヴェルディア」というらしい。

そして、そのヴェルディアの首都が「ラピス市」というところだそうだ。

俺は、今からそこへ向かおうとした。


しかし、町から出る直前に、見知らぬ人から声をかけられた。


「ねえ、そこの君。さっき、何してたの?」

「さっき?あぁ、売店で飯を食ってましたよ」

「いや、そこじゃなくて。さっき森で何してた?」


そういったのは、小柄な魔法使いの女。お姉さんタイプかな?

そんなことはどうでもいい。

まずい、見られていたのか。


「いや、別に何もしてませんよ」

「嘘つけ。さっき、あの魔物をテイムしてたよね?」

「...」

「黙秘は肯定と捉えるわよ」

「そうです。でもこのことは絶対に口外しないでください。面倒臭いので」

「いいわ。その代わり、私とパーティー組んでくれないかしら?」

「え?」

「今、誰も組む人がいなくて困っているのよ」

「組む意味ってあるんですか?」

「その方が戦いが楽だからよ」

「俺テイマーですよ?」

「さっきの戦いを見て、放ったらかしにするわけないじゃない」

「はぁ。分かりました。パーティーを組みますよ。」

「(よしっ!)」

「今なんか言いましたか?」

「いや、なんでも。さ、行くわよ」

「置いてかないで!」


俺は、彼女のステータスを見ることにした。






---------------

名前:アリス

職業:魔法使いLv30

ランク:B

所持金:1200000G

>金貨12枚(1200000G)


HP(体力):5010/5010

MP(魔力):9000/9050

DF(防御):900

ATK(攻撃):1800

MDF(耐魔):3000

SPD(速さ):2000

LCK(運):1110

KL(知識):1800


固有スキル1:魔術の守護神

>魔術に愛されしもの。魔術系統の職業の場合、経験値が5倍


装備:魔法使いの帽子(耐魔+1000)、魔法使いの服(防御+350、魔力+3000)、グリーフの魔法杖(攻撃+1750、魔力+2000、運+650)

---------------






いやつよいやん。

俺よりも強かった。

しかも、しれっとランクBだし。

俺の助けはいらないんじゃないか?


あ、俺テイマーだ。

テイマーの能力の一つに、魔物から魔力を渡せるということが出来る。

それを、アリスは狙っているのか。

てか、アリスっていうんだ。


「ユウイチ、早速だけど、テイムしている魔物を見せて頂戴」

そう言われたので、俺は二匹の魔物を召喚した。



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