女性らしい言葉遣いって実際に使わなくね

「あら?誰かと思えば貴方様ではありませんか、今日も良い天気でございますわね」


「いきなりなんだ? そんなお嬢様のような言葉を使って」


「いえ、こんな言葉を使う人が本当にいるのか疑問に思って、実際に私自身が使ってみただけよ」


「お嬢様言葉って昔はよく使われていたかもしれないけど、今じゃあ小説やマンガの中だけだと思うけどな」


「お嬢様言葉は別として女性らしい言葉遣いってあるわよね。例えば〇〇だわとか〇〇なのよとか。でもそんな言葉遣いの人もお嬢様言葉を使う人同様に小説や漫画の中だけだと思うの」


「確かに、現実だと男女で言葉遣いの差っていうのはあまりない気がするな。言葉を文字に起こしたインタビュー記事とかをみても写真や名前がないと、あれ?これを話している人は男性なのかそれとも女性なのか分からないぞと思ったりもするな」


「だから、実際にはあまり使われないお嬢様言葉から派生した、同じくらい使われない女性らしい言葉が誕生した気がするの」


「じゃあ、小説とかマンガで女性らしい言葉がよく使われているのはなんでなんだ?」


「それはさっき貴方が言ったように、言葉を文字に起こすと性別が分からないからだと考えているわ。複数人で会話している場面だと誰が話しているかを逐一説明しなければ物語が分かりにくいもの。だから、一人称を変えたり口癖を追加したりするのと同じニュアンスとして女性らしい言葉を使って、読んでいる人に分かりやすくするための配慮していると考えているわ」


「なるほどな。正解とか不正解とかはわからないけれど、その説は十分に考えられると思う」


「ちなみに、この文を書いている人は分かりやすくするために話す人によって言葉を変えていると言っているわ。さっきの私の発言はその人の代弁をしたまでよ。だから私の話す言葉も女性らしい言葉になっているんですって」


「…この世界をぶっ壊すような発言は控えてくれ。というかそれなら、お前のこの件に関する意見はどうなんだ?」


「私は別に人の話す言葉遣いに関心がないの。強いて言うなら、私には敬語を使えと思っているわ」


「この議題、お前が言い始めたんだろ」




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ちょっとお話しましょうか、くだらない話を 秋野旭 @akn_ash

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