第4話

〜高校受験パート2だってさ〜

高校2年生になった頃のへっぽ子はもしね成績の急上昇によりへっぽ子がへっぽこなことを忘れておりました。へっぽ子は人の2倍3倍と努力してやっとのことで人並み程度になれる人間です。にもかかわらずへっぽ子は塾の授業をすっぽかしたり自習室に行くといってはカラオケ、映画などと親を欺いて友達と遊びほうけていました。いけないと分かっていながらも夜に遊びに出かける背徳感に取り憑かれて勉強はやってはいたものの格段に時間は減りました。もちろん成績もどんどん落ちて勉強を始めた当初に逆戻り。


そうなると今度は焦り出すんです。高校2年の中盤あたりです。私が勉強をおろそかにする一方で受験を見据えて皆んな将来について真剣に考え出しそれを叶えるための努力をし始める。周りの目の色が変わるのを肌で感じて募る焦り。不安。特にこのぐらいの時期からは勉強をしてもしても成績が上がらなくなり自分のへっぽこ不器用さが大嫌いでした。周りも皆んな敵に見えました。今まで一緒に遊んでいた子も、一緒に励まし合いながら頑張ってきた子も親も先生もです。


今思えば本当に自分を見失っていたんだと思います。そんな時期に限ってダンスだの折り紙を折って学校全体で作品を作れだのイベントがありました。へっぽ子は異常なほどに不器用でダンスなんて特に苦手です。グループに分かれて楽曲を決めて踊る授業でした。グループ決めの時ほわほわしていたら某有名K-popアイドルの曲を踊ることになりました。曲を決めた時発表がまだ先だったためあまり考えずその曲で良いと言ってしまったへっぽ子は本当にへっぽ子です。案の定全然踊れませんでした。踊れない上に振り付けを覚えるのも苦手でした。ですが踊れないのなら家で練習するしかありません。そう、勉強出来ないんです。勉強出来ないストレス、自分の不器用さ、グループの子達からの目線が怖くてみんなの前で泣いちゃいました。きっと皆んなからすれば何で泣いたのかわからないし今思い返せばへっぽ子が踊れてなくてもあんまり気にしてなかったのではないかと思います。自分でも何で泣いてるのかうまく説明出来ないし何で泣いてるのかも正直よく分かりませんでした笑。精神不安定って本当に怖いです笑。きっと困惑させちゃった子達には申し訳ないけどへっぽ子としては久しぶりに泣けてすごくスッキリしてここで今までの悪い感情が一旦リセットされたような気がします。大人に近づくごとにだんだん泣けなくなっていきますよね。悪いことのようにも思われますがたまには泣くのも悪くはないと思います。実践済みです笑。


周りが敵ばかりに思えていたと書いていますがでも実際には味方ばかりだったと思います。ダンスも出来なかったところを塾が一緒だった同じグループの子が塾の前で人に見られながらも教えてくれました。机の整理整頓が苦手だったへっぽ子の机は学校では朝なぜか綺麗にしてくれる子がいて帰る時は汚かったのに朝はきれいでした笑。


へっぽ子の人生を振り返ると誰かの思いやりや優しさに支えられていてそのことに気がつけて心があったかくなれるならへっぽこもわるくないなと思えることを昔のへっぽ子に伝えたいです。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る