第39話 翡翠の洞窟 第1階層

 「ここが洞窟の入り口か」

 「はい。ここが通称、翡翠の洞窟です」


 僕とソルメイスは洞窟の前に来た。


 「早速入るか」

 「は…はい!」


 洞窟の中はいかにも洞窟だった。


 「灯りがいるな…ともせ…火玉」


 僕はその辺に落ちていた木の棒に火をつけた。


 「メアさん聞いてもいいですか?」

 

 洞窟を歩きながらソルメイスが聞いてきた。


 「答えられる範囲なら」


 僕はそう答えた。


 「メアさんの組織はどういった活動をしているんですか?」


 ……まだ結成して2時間ほどしか経っていないんだかなぁ…


 メンバーもあくまで僕の勝手でネイン達を入れているつもりだし。


 「漆黒のエンジェルは魔物を狩ったり、他の悪の組織を壊滅させたりしている」

 「なるほど…」


 適当に言っておこう。


 「私も質問していいか?」

 「はい!僕に答えられることならなんでも!」

 「勇者は7人いるんだな?」

 「ええ、僕を含めて7人です」

 「他の勇者のことを教えてくれないか?」

 「他の勇者ですか…僕が知ってる範囲ですが…」


 「ふむふむ…わかった…」


 僕はソルメイスに他の勇者のことを教えてもらった。


 今後勇者とも戦うことになるだろうし、情報は蓄えた方がいいだろう。


 「おっと、早速魔物のお出ましだな」

 「そのようですね」


 目の前には僕の世界でいう、ゴブリンみたいな魔物が複数体現れた。


 緑色で手には棍棒を持っている。


 「ギィ、ギェー!!」


 ゴブリン達が僕に威嚇してくる。


 生意気だな…よし。


 「低階級の魔物が…どうやら自分達の身分を弁えていないようだな!」


 僕は魔力を解放する。


 「すごい…とてつもない魔力ですね…」


 ソルメイスが言った。


 「ギィ…グググ…」


 ゴブリン達が後ろへと後退する。


 「魔力の解放だけでゴブリンを退けるなんて…」

 「無駄な時間は割きたくないものだろう?」


 ゴブリンっていうんだな。


 しかし、奥から5メートルぐらいの大きなゴブリンがてできた。


 「ほう…身の程知らずとはコイツのことだな」

 「ギッ!ギェー!!!!!」


 大ゴブリンは僕に棍棒を打ちつけようとした。


 僕はそれをかわす。


 「身の程知らずには死を与えよう」


 僕は魔剣をゴブリンに振るう。


 ゴブリンは一瞬で真っ二つに斬り裂かれた。


 「す…すごい…一撃で…」

 「魔力を最大限に剣に込めれば強大な力で相手を斬ることができるのだ…」

 「は…はい!勉強になります!」

 「フン…」


 こうやって実際に実演をしてソルメイスに戦術を教えていこう。


 なんか先生みたいで気分がいいなぁ…


 「さて先へ進もう」

 「は…はい!次は第2階層です」


 洞窟の奥には第2階層に繋がる穴があった。


 「ここを降りた先は第2階層なんだな」

 「はい…階層が進むにつれて段々強力な魔物がいると言われています」

 「ほう…少しばかりは剣を振るえる相手だといいだがな…」

 「メアさんの理想の魔物はいないかもですけど…」

 「まあよい…さっさと翡翠花だかを摘むぞ」

 「は…はい!」


 僕は穴に降りて第2階層へと進んだ。



 


 

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